【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています. メカトロニクスとは,機械システムを電子・情報技術(センサ、制御、コンピュータ技術)で柔軟化・高度化する技術です.本講義では,特にデジタル制御に焦点を当て、機械系技術者がロボットやFAシステムを制御するために必要な電気電子回路,マイクロコンピュータ,センサ,アクチュエータなどの要素技術を解説し,さらにそれらを統合した機械制御システムの構築について説明します. メカトロニクスシステムを設計・開発するために必要な電子回路やコンピュータ技術の基礎を修得するとともに、制御工学で学んだ理論を実際の機械システムの問題に関連させて理解を深めます。
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP4〕に対応しています. (1)デジタル回路を構成するトランジスタと、それを用いた基本論理回路の構成を説明できる. (2)基本論理回路の動作を回路図,真理値表,論理式,タイミングチャートで表すことができる. (3)加算回路,デコーダ回路,カウンタ回路などの応用回路の動作を説明できる. (4)マイコンと周辺機器とのインタフェースの原理を説明できる. (5)アナログ制御器と同等のデジタル制御器を,マイクロコンピュータとCプログラミングを用いて構成できる. (6)センサーとデジタル制御器を用いたフィードバック制御系を理解できる.
【授業概要(キーワード)】
フィードバック制御,デジタル回路,センサ,アクチュエータ,インタフェース,AD/DA変換,PID制御,デジタルフィルタ
【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標の(C)機械工学の応用力[CP3, DP4] を目的とした科目である. なお,本授業を受講する前に,制御工学,メカトロニクスIを受講しておくことが望ましい.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
・授業の方法 90分×8回の講義およびその内容を発展させた演習問題に取り組みながら授業を進める.
・日程
第1週:イントロダクション(デジタル制御とは) 第2週:デジタル回路の基礎(基本論理回路) 第3週:デジタル回路の応用(応用回路) 第4週:センサ,アクチュエータ 第5週:インターフェース(AD/DA変換) 第6週:デジタル信号処理 第7週:デジタル制御(PID制御) 第8週:この授業のまとめ,および期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で使用するパワーポイントを参考に,講義内容をノートに書き留めるなどして理解を深めてください.また,論理回路のタイミングチャートや周期的信号のAD/DA変換に関する例題を解きながら,ノートに整理して復習すると効果的です.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
制御工学および基本的な電気回路の知識が不足している学生は,必要に応じて事前に学習しておくこと.授業では制御工学の概念を用いるため,未修得の知識があると感じた場合は,制御工学の教科書を参照しながら学習を進めてほしい.
【成績の評価】
・基準
(1)基本論理回路の動作を説明できる. (2)論理回路を組み合わせた応用回路の動作を説明できる. (3)マイコンと周辺機器とのインタフェースの原理と使い方を説明できる. (4)デジタルフィルタを用いた信号処理の動作を説明できる. (5)デジタルPID制御器の構成について説明できる.
・方法
期末テスト(100点)により評価する.60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
渋谷恒司,「メカトロニクスの基礎」,森北出版 西堀賢司,「メカトロニクスのための電子回路基礎」,コロナ社 舟橋宏明, 岩附信行,「メカトロニクス入門」,実教出版
【その他】
・学生へのメッセージ
今までの講義で習った電気回路や制御工学を実例を通して身につけましょう.機械系だけでなく,電気電子系や情報系(コンピュータ制御)についても理解し,機械システム全体の開発を統括できるエンジニアを目指しましょう.
・オフィス・アワー
金曜日 15:00ー17:00. 直接,研究室をたずねること.
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