微細加工
 Micro machining
 担当教員:峯田 貴(MINETA TAKASHI)
 担当教員の所属:理工学研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):民間企業(半導体メーカー)、官公庁の試験研究機関での研究開発
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています。
マイクロ・ナノスケールにおける微細加工は、エレクトロニクス,メカトロニクス,情報通信などの広い産業分野を支える重要な基盤技術である。本講義では、金属、半導体、ポリマ、ガラス等の材料を所定の微細形状に加工していく微細加工法の原理、特徴、応用事例(加工装置、加工製品)の基礎を学ぶ。

【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP6〕〔DP7〕に対応しています。
(1)物理的あるいは化学的作用によって種々の材料を除去、堆積、接合して微細形状に加工していく原理を理解できること。
(2)各微細加工法の特徴を理解できること。
(3)その組み合わせにより、微細形状の設計および形成へ応用する基礎知識を習得できること。

【授業概要(キーワード)】
精密加工,マイクロ/ナノ加工,MEMS, 表面加工/薄膜形成,接合,フォトリソグラフィ,エッチング

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この講義は機械システム工学科の学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕,〔DP6〕,〔DP7〕を養成する科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
90分×15週の講義形式で授業を行う。物理的あるいは化学的作用によって種々の材料を除去、堆積、接合していく微細加工法の原理,特徴,および応用事例を講義し、微小素子形成等の先端的なものづくりの基礎を学ぶ。
・日程
授業計画
第1回:微細加工の概要
(復習)微細加工手法の分類について習得(資料配布)
第2回:微細化に伴う現象
(予習)スケール効果を把握
(復習)各種の物理量のスケール効果を習得
第3回:放電加工
(予習)放電現象の原理と各種放電モードについて把握
(復習)放電加工の特徴や応用手法を習得
第4回:レーザー加工、ビーム加工
(予習)レーザー、電子ビームの原理を把握
(復習)ビーム加工の特徴について習得(資料配布)
第5回:エッチング加工の概要(表面、バルクマイクロマシニング)
(予習)エッチング加工の概念を把握
(復習)エッチング加工の各論について習得(資料配布)
第6回:エッチング加工の応用
(予習)産業界での応用分野を把握
(復習)エッチング加工の各論について把握(資料配布)
第7回:化学エッチング
(予習)化学反応の特色の基礎について把握
(復習)化学エッチングの各論について習熟(資料配布)
第8回:気相エッチング、プラズマ加工
(予習)プラズマ放電現象について把握
(復習)プラズマ加工の応用について習得(資料配布)
第9回:砥粒加工、電解加工、電鋳
(予習)砥粒加工、電気分解の基礎について把握
(復習)砥粒加工、電解加工の原理と応用について習得(資料配布)
第10回:接合
(予習)各種の材料貼り合わせ技術を把握
(復習)接合技術の各論について原理と応用を習得(資料配布)
第11回:フォトリソグラフィ (1)
(予習)フォトリソグラフィの概念を把握
(復習)露光プロセスの原理と種類について習得(資料配布)
第12回:フォトリソグラフィ(2)
(予習)露光プロセスの原理を把握
(復習)微細パターン形成技術の各論について習得(資料配布)
第13回:薄膜形成(物理的堆積、化学的堆積)(1)
(予習)物理的な蒸着、化学的な蒸着について把握
(復習)物理的な薄膜形成の各論を習得(資料配布)
第14回:薄膜形成((物理的堆積、化学的堆積)(2)
(予習)物理的な蒸着、化学的な蒸着について把握
(復習)化学的な薄膜形成の各論を習得(資料配布)
第15回:ナノマシニング、複合プロセス、微細計測法
(予習)マイクロ、ナノスケールの各プロセスと計測手法を把握
(復習)各種の複合プロセスの応用、微細な計測法を習得(資料配布)
定期試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
先端的な微細加工技術を各論的に紹介し学習するので、幅広く知識を吸収しようという姿勢で積極的に取り組んで欲しい。特に、原理および特徴な
どの不明な点は講義中に質問し、積極的に理解を深めて欲しい。分からない部分があったら質問する.私語,飲食,講義中の出入り,そのほか,他
の受講生の迷惑となる行為を行った場合は受講を遠慮していただき,欠席扱いとする.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書は使用しない。必要に応じて資料を配布するので、活用すること。

【成績の評価】
・基準
1.各種の微細加工法の原理の理解
2.各種の微細加工法の特徴の把握
3.微細形状の設計および形成へ応用可能な基礎知識の習得
以上の3点を評価基準とする
・方法
複数回のレポートを30点、期末試験あるいはそれに準ずる課題を70点とし、総合して60点以上を単位認定とする.レポート提出が全回数中2/3に達しない学生、および出席が授業回数の2/3に満たない学生には単位を認定しない.

【テキスト・参考書】
参考書・参考資料等
江刺正喜,はじめてのMEMS, 森北出版
江刺正喜,五十嵐伊勢美,藤田博之,杉山進 著,マイクロマシニングとマイクロメカトロニクス, 培風館
藤田博之 著, マイクロナノマシン入門―半導体技術で作る微小機械とその応用, 工業調査会
木本康雄, 矢野章成, 杉田忠彰 著, マイクロ応用加工, 共立出版
近藤英一 著, マイクロ・ナノ加工の原理, 共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
従来の機械加工とは異なる概念の微細加工手法を学ぶので、新鮮な興味と好奇心を持って講義に参加し、将来の自分に役立てる知識として吸収してほしい。
・オフィス・アワー
水曜日(16:30-17:30)在室時であれば他の曜日・時間帯でも可

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