【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています. 1.講義および演習を通じて、コンピュータを用いて熱流体力学問題を解くための手順と数値計算法の基礎を修得することを目的とする。 2.これまで学んできた熱工学と流体工学の基礎知識にコンピュータ・シミュレーション技術を加味させ、熱流体力学問題に応用する基礎的能力を養うことを目的とする。
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP4〕〔DP9〕に対応しています. (1)熱流体力学問題を支配する質量、運動量、エネルギー保存則を説明できる。非圧縮性流の基礎方程式を導出できる。移流・拡散に関する簡単な数学モデルを説明できる。 (2)熱流体力学問題に対する差分法の基礎と特徴を説明できる。 (3)簡単な熱流体力学問題の数値シミュレーション(計算プログラムの作成、実行、データ処理)を実施することができる。
【授業概要(キーワード)】
数値流体力学、質量と運動量の保存、エネルギー保存則、数値計算、シミュレーション
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕,〔DP4〕,〔DP9〕を養成する科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
90分×15週の授業を行う。各回授業の前に、30分程度の予習が必要である。全期間に渡って複数回のレポートが課される。第5週までのレポートは紙と鉛筆で解ける問題である。それ以降のレポートはR言語によるプログラミングと計算が必要となる。第5週以降のレポートはパソコンで作成することが要求される。 主として対面授業を実施する。WebClassやZoomによる遠隔授業を活用する場合もある。
・日程
第1週 コンピュータを用いて熱流体力学問題を解くための手順、応用例 第2,3週 熱流体力学問題の記述方法、質量、運動量、エネルギー保存の方程式と無次元化 第4週 基礎方程式から抽出されるモデル方程式、偏微分方程式の分類、初期条件と境界条件 第5週 差分法の基礎、1階微分に対する前進、中心、後退差分、2階微分に対する中心差分、テーラ展開と差分近似の精度、打切り誤差 第6週 1次元熱伝導方程式の差分解法とプログラム 第7週 差分法の適合性、収束性と安定性、陽的な方法と陰的な方法 第8-10週 1次元熱伝導方程式の陰解法、連立一次方程式の反復解法、1次元熱伝導方程式の陰解法のプログラム 第11週 計算格子の概念、2次元ポアソン方程式を解くためのプログラム 第12週 移流方程式の差分解法、風上差分法の概念、CFL条件 第13,14週 非圧縮性ナビエ・ストークス方程式の差分解法 第15週 期末試験および総括
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義に出席し、話をよく聞き、疑問点は積極的に質問すること。前回までの講義内容を理解しておくこと。講義中で出てきた式の導出については各自で確認しておくこと。毎週、オフィスアワーを設けているが、それ以外の時間でも学生からの質問を優先的に受ける。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
WebClassで配布する講師独自の授業資料PDFをよく読んでおくこと。レポートは必ず自分でやること。わからないところがあったら質問すること。情報処理およびシミュレーション技術は現代社会を生きる必要不可欠な技術となっている。パソコンを活用した作業能力を積極的に養いましょう。
【成績の評価】
・基準
100点を満点とし、60点以上を合格とする。「授業の到達目標」の項目に対する評価の比率は,(1) 30%, (2) 40%, (3) 30%である。
・方法
授業内容に対する達成度を,レポート(40点)および学期末の試験(60点)の合計100点により判定して成績を決める。出席回数が3分の2未満の場合は成績評価の対象にしない。
【テキスト・参考書】
参考書:
河村 哲也, 平野 広和, 池川 昌弘, 川原 睦人, 登坂 宣好: 非圧縮性流体解析 (数値流体力学シリーズ), ISBN 978-4-13-065101-1, 1995.
藤井 孝藏, 立川 智章:Pythonで学ぶ流体力学の数値計算法,ISBN 978-4-274-22470-6,2020, 4,180 円.
【その他】
・学生へのメッセージ
「基礎流体力学及び演習」、「機械情報処理演習」を履修していることが望ましい。 演習でパソコンを使用するので、各自、ノートパソコンを準備してください。
・オフィス・アワー
6-405(中西研究室にて)毎週木曜日16:00-18:00
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