【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています. 様々なエネルギー変換機械の中でも、流体を用いたエネルギー変換機械を流体機械という。流体機械は、機械エネルギーを流体エネルギーに変換するものと、逆に、流体エネルギーを機械エネルギーに変換するものに分類できる。例えばポンプ、送風機・圧縮機などは前者に、例えば水車、風車などは後者に属する。本授業では、最も簡単で最も基本となるポンプを中心に取り上げて、流体機械の分類、原理、構造、性能などについて講義する。「基礎流体力学及び演習」などからつながる授業でもある。
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP4〕に対応しています. (1)流体を支配する質量、運動量、角運動量、エネルギーの保存則を理解でき、それらを応用できる。【知識・理解】 (2)流体機械の分類、原理、構造、性能を理解できる。【知識・理解】 (3)流体機械にとって避けなければならない特異現象のメカニズムを理解できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
流体機械、ターボ機械、エネルギー変換、エネルギー損失、運動量と角運動量の保存、性能曲線、翼と翼列、速度三角形、次元解析と相似則、キャビテーション。
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力[CP3][DP4]を養成する科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
主にテキストに沿った講義(90分×15回程度)を行う。さらにテキスト章末問題などの自己学習用のレポート課題(30分×数回程度)によって、講義内容の理解を深め、応用力を高められるようにする。
・日程
第1回:授業の説明(授業概要、授業計画、成績評価の方法、テキストなど)、流体を用いたエネルギー変換機械(流体機械)の例 [予習]テキスト全体に目を通しておく。 [復習]講義内容を見直して理解する。 第2回:流体の物理的性質、静止している流体の力学(圧力)、運動している流体の力学(質量とエネルギーの保存、ヘッド、運動量と角運動量の保存) [予習]テキストのpp.4-36を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解し、指定された課題を解いてレポートとして提出する。 第3回:物体に及ぼす噴流の力(平板と曲面版に及ぼす噴流の力) [予習]テキストのpp.36-42を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解し、指定された課題を解いてレポートとして提出する。 第4回:流れとエネルギー損失(損失ヘッド、水撃)、物体の周囲の流れ(翼と翼列、失速、キャビテーション) [予習]テキストのpp.46-63を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解する。 第5回:ポンプの概要(分類、原理、揚程、動力、効率) [予習]テキストのpp.65-71を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解する。 第6回-第10週:遠心ポンプ(構造、速度三角形、理論揚程、性能曲線、次元解析と相似則、比速度、キャビテーション)、軸流ポンプ、斜流ポンプ [予習]テキストのpp.71-93を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解し、指定された課題を解いてレポートとして提出する。 第11回-第12週:送風機・圧縮機の概要(分類、原理)、遠心送風機・圧縮機(構造、性能)、軸流送風機・圧縮機(構造、性能)、サージング [予習]テキストのpp.111-128、pp.132-133を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解する。 第13回-第14週:水車の概要(分類、原理)、ペルトン水車(構造、性能)、フランシス水車(構造、性能) [予習]テキストのpp.137-149を読んで上記項目について調べてみる。 [復習]講義内容を見直して理解する。 第15回:期末試験および総括 [予習]それまでの講義内容、テキスト例題、レポート課題などをすべて見直して理解する。 [復習]期末試験の問題をすべて完答できるようにする。 ※日程は変更になる場合がある。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業時間内には講義を聴き、わからないところはわからないままにせず、自分で調査する、あるいは教員に質問するなどして理解しておくとよい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業時間外にはレポート課題に取り組み、必要に応じて、授業計画(日程)の各回に書かれているような予習・復習も行うとよい。学修に必要な学修時間の目安は以下のとおり。1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められている。
【成績の評価】
・基準
期末試験(70点)とレポート課題(30点)の結果を合計100点とし、60点以上得点できることを合格の基準とする。授業の到達目標の各項目の評価比率は、(1)40%、(2)40%、(3)20%とする。
・方法
期末試験では、授業の到達目標の各項目(1)(2)(3)の達成度を評価する。レポート課題では、主にテキスト章末問題から抜粋して課題とする。
【テキスト・参考書】
[テキスト]高橋徹、機械工学入門シリーズ・流体のエネルギーと流体機械、オーム社、1998年、2100円+税。 [参考書1]森田泰司、改訂・流体の基礎と応用、東京電機大学出版局、1997年、2400円+税。 [参考書2]大橋秀雄、流体機械(改訂・SI版)、森北出版、1987年、3600円+税。
【その他】
・学生へのメッセージ
流体関連科目の復習も兼ねて、流体を用いたエネルギー変換機械(流体機械)の基礎を学ぼう。「基礎流体力学及び演習」を履修していることが望ましい。
・オフィス・アワー
質問などがある場合は、基本的には以下のオフィス・アワーにて。 金曜日16:00-17:00、6-515研究室。
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