【授業の目的】
近年ITの発達により様々な分野で大量のデータを入手することが可能となった.データサイエンスとは,このようなビッグデータから新しい意味や価値などを発見する学問分野である.この分野で特に重要な技術としてパター認識が挙げられる.パターン認識は,○○認識と呼ばれる分野(音声認識,画像認識等),自動○○と呼ばれる分野(自動診断,自動計測等)などが関連する基本要素技術である.これらの分野に共通する基本的な知識や手法を体系的に学ぶ.また音声認識など応用例について学ぶ. 本授業ではまず,パターン認識に関する全般的・基本的な事項や処理の流れについて説明する.パターン認識の前処理のための標本化と量子化,特徴の抽出と正規化,最近傍決定則とパーセプトロンによる識別を説明する.次にパターン認識の性能向上に関し,誤差の最小化,サポートベクトルマシンやニューラルネットワークによる機械学習,統計的手法について説明する.またパターン認識システムの評価についても説明する.最後に,パターン認識の応用システムについて学ぶ.
【授業の到達目標】
(a)パターン認識のための前処理,特徴の抽出法が理解できる.【知識・理解】 (b)最近傍決定則とパーセプトロンによるパターン識別法が理解できる.【知識・理解】 (c)誤差の最小化方法が理解できる.【知識・理解】 (d)サポートベクトルマシンとニューラルネットワークによる機械学習が理解できる.【知識・理解】 (e)ベイズ判定法にもとづく統計的な識別法が理解できる.【知識・理解】 (f)パターン認識システムの評価方法が理解できる.【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
特徴抽出,最近傍決定則,パーセプトロン,識別関数,サポートベクトルマシン,ニューラルネットワーク,深層学習,ベイズ判定法
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
基盤共通教育科目で培った知識を発展させて,情報科学または電気・電子通信工学の応用力や展開力を養うための講義,実験及び演習を体系的に配置する(情報・エレクトロニクス学科のカリキュラムポリシー 1-(2)) 本授業の基礎となる科目:確率概論.情報理論などのコア科目 関連科目:信号処理,デジタル画像処理
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
教科書と資料を使用し講義形式で授業を進める.適宜,問題の演習などを行う.状況によって進め方に変更がある可能性がある.
・日程
第1週 データサイエンスとパターン認識 第2週 パターン認識の前処理 第3週 特徴抽出 第4週 識別関数 第5週 パーセプトロン 第6週 誤差評価に基づく学習 第7週 サポートベクトルマシン 第8週 中間試験 第9週 ニューラルネットワーク 第10週 深層学習 第11週 深層学習の演習 第12週 統計的手法 第13週 パターン認識システムの評価 第14週 パターン認識の応用 第15週 期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書および配布資料を参考に講義形式で授業を進める.適宜演習問題なども行い,理解度の確認を行う.なお状況によって授業形態を変える可能性がある.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位精度実質化のため授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください.予習・復習については教科書および配布資料を参考にしてください.授業で取ったノートや受け取った資料を見直し,理解できていない部分がないか確認してください.
【成績の評価】
・基準
到達目標に記した各項目について,基本的な概念が正しく理解できていることが合格の条件となる.
・方法
課題,レポートなどにより100点満点で判定する.単位認定は60点以上とする.
【テキスト・参考書】
教科書:荒木 雅弘,フリーソフトでつくる音声認識システム(第2版),森北出版,3672円(2017)
【その他】
・学生へのメッセージ
分からない点はそのままにせず,適宜質問などをして理解につとめてください.
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、金曜日 13:00~15:00(予定), 7-231号室.またはWebClassのメッセージ機能を利用してください.
|