再生医工学
 Regenerative Medicine (Tissue Engineering)
 担当教員:山本 修 (YAMAMOTO Osamu),佐藤 大介(SATO Daisuke),カジィ グルサンアラシャティ (KAZI Gulsanarasathi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)化学・バイオ工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):病院等での医療研修や民間製薬企業での研究・開発の経験のある教員が,その経験を活かして講義する。
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学工学科  科目区分:発展科目・選択必修 
【授業の目的】
再生医工学は様々な疾病に対する新しい治療方法が提案できる基礎学問であり、非常に活性化している領域です。この授業は生体を修復するための最新方法として、生体人工物あるいは幹細胞を利用し、損傷した組織・臓器の修復・再生に関して実例を挙げながら講義します。

【授業の到達目標】
再生医工学における重要な課題を理解し、これまで習得した工学的知識・技術に基づいて、技術的な思考と解決法が提案できるようになる。さらに,臨床医療に対して基本的な知識を身に付け,その問題点を解決できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
生体人工材料、生体機能修復・再生、医療機器、細胞培養、組織構築

【科目の位置付け】
本講義は本学科生命系授業の展開科目に位置付け、これまでの生命系科目(生理学基礎、分子細胞生物学など)の知識を踏まえ、より生体・臨床医療の実際に近づけ、更に工学の立場から再生医工学に対する理解・貢献の主旨で、生体機能再生や細胞レベルからの生体組織再生などの知識も生かして、新たな応用領域を開ける。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
毎回の講義に再生医工学の一つの重要課題を取り上げ、その基礎知識と実用例を詳細に説明する。
・日程
1.生体機能修復のための無機生体材料
2.生体機能修復のための有機生体材料
3.生体材料を適用する疾患と適用の具体例(1)
4.生体材料を適用する疾患と適用の具体例(2)
5.医工学における生体材料の統括
6.生命現象の理解と再生医工学との関連性
7.細胞・組織の特性評価法
8.細胞操作の技術
9.細胞を用いた再生医療研究の現状と課題
10.医工学における組織再生に関する総括
11.細胞培養技術
12.幹細胞の特徴
13.成長因子
14.細胞・組織染色方法
15.医工学における細胞に関する総括

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
パワーポイントおよび手術映像に基づいて講義を行いますが、テーマによっては工学系参考書に載っていない内容が多くあります。特に、実例に関しては教員自身の研究に密に関連した内容ですので、講義内容を詳細に聞き取り、必ずノートに記載することが必須です。つまり、自分のための「再生医工学の本」を作成するつもりでまとめることを強く勧めます。分らないことは先延ばしにしないで、授業中あるいは講義後、すぐに質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習:予告された授業内容に関わる箇所をあらかじめチェックして、授業内容の概要を理解しておくことが必要です。
復習:毎回自分で取ったメモを参照しながら授業内容を整理し、疑問点を纏めておいて適宜、積極的に質問することを勧めます。

【成績の評価】
・基準
三名の教員が各5回講義します。3回の総括のところでレポートを含む筆記試験を行い,3回の平均点が60%を越えた場合に合格とする。
・方法
3回の試験(各100点満点)の平均点で評価し、60点以上を合格とする。
講義日数の1/3以上欠席の場合には,不合格とする。

【テキスト・参考書】
参考書:生体機能材料学 ー人工臓器・組織工学・再生医療の基礎ー,赤池敏広 著

【その他】
・学生へのメッセージ
出来るだけ分かりやすく講義を進める。無断欠席をしないこと。授業を通して視野をひろげ、柔軟なものの見方・思考を身に付けてほしい。
・オフィス・アワー
特に時間は設けないが,必要があればアポイントを取って,直接たずねること。

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