【授業の目的】
身の回りで利用されているさまざまな材料を取り上げ、その機能が発現するメカニズムを材料科学的に理解し、結晶構造や組成などとの関係を学習する。 固体材料のエネルギーバンド、半導体性、イオン伝導性、強誘電性などの特性に結晶構造がどのように関係しているのか、あるいは原子の配列に規則性のない非晶質材料の特徴について学ぶことを目的とする。
【授業の到達目標】
(1)物質に関する法令・規制、資源的な制約を理解し、材料選択の指針を一般化できる。【知識・理解】 (2)固体材料の基本概念を理解し、エネルギーバンド構造や結晶構造と材料の特性を関係づけることができる。【知識・理解】 (3)4年次の卒業研究を実施するにあたって必要な実践的な知識を身に着け、固体材料に関する研究をイメージできる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
結晶構造、エネルギーバンド構造、半導体、イオン伝導、発光、吸着、誘電体、光学特性、生体活性
【科目の位置付け】
基礎となる科目:化学・バイオ基礎Ⅰ・無機化学Ⅰ・無機化学Ⅱ・物理化学系科目 本講義は、材料科学的な視点に基づき材料の特性の発現メカニズムを理解し、以降の研究に必要な「材料設計のセンス」を身に着けるための科目である。化学・バイオ工学科ディプロマポリシーの「3.専門分野の知識と技能」の(1)に相当する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
次の授業計画に従って90分授業の講義を15回行う。講義内容への理解を深めるために、講義後半または講義終了後にWebClass上でクイズ(小テスト)を実施する。 新型コロナの感染拡大状況に応じて、「講義室」「講義室+オンライン」「オンライン」のいずれかの形態で実施します。なお、学期の最中に変更する場合もあります。
・日程
第1回:ガイダンス(本講義で学ぶこと) 第2回:材料設計の基礎 第3回:機能性セラミックスの分類 第4回:元素の基本的な性質 第5回:固体材料の基礎知識 第6回:固体の電気的性質 第7回:無機固体の半導体性1(p型) 第8回:無機固体の半導体性2(n型) 第9回:イオン伝導体 第10回:ガラス 第11回:強誘電体 第12回:蛍光体と顔料 第13回:結晶構造 第14回:XRD 第15回:後半まとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業の内容に疑問が生じた場合はその場で質問するか、WebClassのメッセージ機能を利用してください。 受講にあたっては、携帯電話・スマートフォンの電源を切るかマナーモードにしておくこと。私語など、他の受講生への迷惑の度合いが大きい場合は退室してもらうとともに以降の受講を不許可とします。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習・復習にはテキスト(講義プリント集)を活用してください。 また、授業に関連することや興味を持ったことを自ら図書館やインターネットで調べ、自分なりに理解を深めてください。 理解できなかった点は積極的に質問してください。WebClassのメッセージ機能等を利用した質問も受け付けます。必要に応じて次回以降の講義でも解説します。
【成績の評価】
・基準
(1)物質に関する法令・規制、資源的な制約を理解している。【10%】 (2)材料各論に関する基礎的な知識を有している。【40%】 (3)エネルギーバンド構造や結晶構造など、材料を理解する上で必要な知識を有している。【40%】 (4)材料の組成や結晶構造から特性を予測できる。【10%】
以上の事柄を、総合して60%以上理解していることが合格の基準である。
・方法
毎回の小テストの合計:30点、中間試験:35点、期末試験:35点の配分とする。 なお、5回以上欠席した場合には単位を修得できない。遅刻2回で欠席1回とみなす。
【テキスト・参考書】
「マテリアル化学 講義プリント集」を使用するので、講義開始までに生協で購入すること。
【その他】
・学生へのメッセージ
元素の組み換えや結晶構造・表面状態の制御によって多彩な機能が発現する材料の本質を理解してください。
・オフィス・アワー
質問がある場合は講義終了後に質問するか、WebClassのメッセージ機能で問い合わせてください。松嶋居室(3号館1階1104)に来ていただいても構いませんが、会議や出張等で不在にすることもあるため、できるだけ事前にご連絡ください。
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