医薬品化学
 Medicinal Chemistry
 担当教員:今野博行(KONNO Hiroyuki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)化学・バイオ工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:選択必修 
【授業の目的】
有機化学、生化学の応用科目として、医薬品化学を学び、医薬品の開発から認可までの創薬の流れ、医薬品の構造活性相関等、基礎的な内容を学ぶことを目的とする。さらに医薬品の構造、合成法、作用機序、対象とする疾患について理解を深める。

【授業の到達目標】
創薬の流れについて、理解し説明できる。
創薬の基本的な概念、「生物学的等価体」「ファーマコフォア」「構造活性相関」などについて理解し説明できる。
医薬品の開発に重要な、生体内標的となる酵素、受容体、トランスポーター、イオンチャネルについて理解し説明できる。
医薬品の生体内標的分子、作用機序、代表的な骨格、一般名、構造式について、理解し説明できる。

【授業概要(キーワード)】
創薬、リード化合物、バイオ医薬品、ファーマコフォア、生物学的等価体、生体内標的分子、受容体、酵素、アゴニスト、アンタゴニスト、イオンチャネル、トランスポーター、作用機序、天然物、コンビナトリアル化学、構造活性相関

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
生命科学分野の発展的科目であり有機化学系、生化学系科目を理解していることが前提になります。この講義は化学・バイオ工学分野における新産業と新技術を創成する能力を身につけるための最先端の科学技術が習得できる科目に主に対応します。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
テキストに沿ってパワーポイント(一部資料配布)を使い、授業を進める。最後に、授業のまとめとして簡単な問題を解いて提出してもらう。次回の授業始めに解答例を示す。さらに最終週に期末試験を行う。授業中は私語、飲食などで他の学生の迷惑となる行為を行なった場合は受講を遠慮してもらう。
・日程
1週 ガイダンス:医薬品とは
2週 天然物と合成物質
3週 薬ができるまで
4週 抗ウイルス薬
5週 抗生物質
6週 抗炎症薬
7週 糖尿病治療薬
8週 降圧薬
9週 高脂血症治療薬
10週 抗がん剤
11週 交感神経作動薬
12週 中枢神経系に作用する薬剤
13週 総合感冒薬
14週 免疫系に作用する薬剤
15週 期末試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
プリントやテキストを用いて解説していく。概論的な内容なので、テキスト・参考書を読めば、創薬科学についておおよそ理解できる。授業を受けて不明な点があれば、オフィスアワーやWebClassを利用して質問すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習として講義で扱う部分に関して教科書を読んでおくこと。講義中に毎回問題を出題し、講義内容の理解度を確認するので、講義に集中すること。講義後、内容のポイントを整理するなどの復習をしておくことが望ましい。特に代表的な医薬品の一般名、標的分子、作用機序、適応症について整理しておく。

【成績の評価】
・基準
医薬品の疾患における分類、化学構造、作用機序などについて説明できることを合格の基準とします。
医薬品の分子設計ならびにその成り立ちについて説明できることを合格の基準とします。
・方法
期末試験(60点)、毎回の小テスト(20点)、平常点(20点)で評価します。合計で60点以上が合格となります。ただし、出席が2/3に満たない学生は評価の対象外とします。

【テキスト・参考書】
テキスト:「ベーシック創薬化学」化学同人、¥3000。
参考書:ベーシック薬学教科書シリーズ6「創薬科学・医薬化学」化学同人。
スタンダード薬学シリーズ8「医薬品の開発と生産」東京化学同人。「メデイシナルケミストリー」第5版、講談社。「メデイシナルケミストリー」丸善

【その他】
・学生へのメッセージ
この科目を受講するに当たって、有機化学I, II, III及び生化学I, IIを受講しておくことが望ましい。医薬品関連企業に興味がある方には聴講をお勧めします。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を今野研究室(3号館3階3-3205号室)において、毎週水曜日 16:00~17:00 の間に設けます。

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