【授業の目的】
高分子材料に関する評価手法および使用される評価機器の適切な選択や使用方法を学ぶことにより,高分子材料が工業的に生産される現場での研究開発や製造プロセスに必要なさまざまな材料の分析評価手段について,最適な手法や装置の選択- 実用的な運用方法だけではなく,個々の測定結果の取り扱いや信頼性のある情報の入手方法などを理解,習得する。さらに,AIを利用した論文検索や特許検索の活用方法を学び,効率的な情報収集スキルを身につける。
【授業の到達目標】
高分子材料の持つ特徴やその評価方法について理解し,その研究- 開発対象となる高分子材料の経済性評価を高める手法を効率よく学ぶことができる。また,自身の所属する研究室全体の研究テーマやその課題の把握方法,課題解決に必要な評価手段や評価装置の選び方についても理解を深める。
【授業概要(キーワード)】
高分子,繊維,ゴム,樹脂,合成樹脂,プラスチック,食品,経済,環境,産業,分析手法,評価技術,AI活用,論文検索,特許検索,研究課題把握。
【科目の位置付け】
この授業は,多岐にわたる高分子の製品の材料開発や用途開発などにおいて,様々な評価分析手法を活用する上で,それらの分析手法の特徴を理解し,分析- 評価手法を選択して解決策を企画実行する力を身につけるものである。さらに,AIを活用した情報収集や分析スキルを習得することで,より効果的な研究開発能力を養成する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
講義は原則として対面で行う。講義の実施する教室やオンラインへ変更になった場合など,講義の事前の連絡事項は,WebClassに掲示する。
・日程
6月26日(木)、6月27日(金)の2日間に渡り、以下の内容について講義する。 1. 全体概要説明 2. 研究室の歩き方 3. 高分子とその特徴 4. 主な高分子評価装置の特徴と用途 5. 機器分析との効率的な付き合い方 6. 新しい高分子評価技術 7. 信頼性のある情報を得るには 8. 研究・開発のサポートツール 9.AIを利用した論文検索と特許検索の活用方法 10.研究室の研究テーマと課題把握の方法 11.他大学の研究室や企業の研究開発事例(AIエンジンを使用した紹介) 12.全体まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
面接授業では,下記のことを禁止する。 講義中の私語,飲食は禁止です。他受講生への迷惑行為がある時は場合により退場させます。講師から適時受講生に質問し,理解度をチェックします。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
身の周りの高分子材料,プラスチックについて,これら材料がどの様に使用され,何故その材料が採択されているのかを日ごろから考え理解し説明できるようにしておく。 各研究室にある汎用的な評価機器(粘度計・レオメータ・DSC等)の概要を把握しておく。 上記の評価装置で使用される単位系を把握しておく。 できればChatGPTなどのAIアシストを利用した文献検索、公式サイトでの特許検索なども慣れておく。さらに実験ノートの進化系として、Notionなどを用いた活用方法などもYouTubeでの紹介を参考にして触れておく。
【成績の評価】
・基準
高分子材料の持つ特徴や評価方法について正しく理解していることを合格の基準とする。また,AIを活用した情報収集や分析の基本的なスキルを習得していることも評価の対象とする
・方法
成績評価は以下の通り行う。 レポート 80点 授業参加点 20点
【テキスト・参考書】
講義で用いる資料を当日配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
研究室に配属されたときは戸惑いや不安が少なからずあるものです。その研究室という一風変わった世界を自在に泳ぎ回り,メンバーとの連携を楽しみながら活躍できるようなサポートができればと思っています。 研究室で使用される専門的な言葉や評価手法など,様々な知見を積み上げていくと,何となくその世界観が理解できるようになります。頭の中にその宇宙を展開することができれば,研究計画も卒業論文も気持ちよく纏め上げることが出来るでしょう。 また,AIツールを活用することで,より効率的に情報収集や分析を行い,研究の質を高めることができます。これらのスキルは,将来の研究活動や企業での開発業務にも大いに役立つでしょう
・オフィス・アワー
開講日:6月26日~6月27日 問合せ先:香田智則(0238-26-3066)
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