【授業の目的】
本講義は,線型代数学と呼ばれる分野の内容に慣れ親しむことを目的とする. 線型代数学は,歴史的には,連立一次方程式の解法を一般的に考察するところから始まった学問分野であるが, 現代では,物理学などの自然科学のみならず,機械学習などの理論的基礎をなす極めて重要な分野となっている. 講義では,高校で学んだベクトルの概念の復習から始めて,行列および行列式の定義と性質を簡単な例を通して学び, 現代物理学やデータ科学の分野でいかに応用されているか,体験を通して実感できることを目指す.
【授業の到達目標】
(1)連立1次方程式が解けること. (2)行列の階数が求められること. (3)行列式が求められること. (4)逆行列が求められること.
【授業概要(キーワード)】
複素数、ベクトル、連立1次方程式、行列、ガウスの消去法(掃き出し法)、逆行列、行列式、サルスの方法、クラーメルの公式、余因子行列
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
(高分子・有機材料工学科) CP1(3),DP2 に対応する。 (化学・バイオ工学科)CP1(1),DP2 に対応する。 (情報・エレクトロニクス学科) CP1(1),DP2 に対応する。 (機械システム工学科)CP1 DP1 および学習教育到達目標の(A) に対応する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
毎回,講義のはじめに前回の復習を15分程度で行う.続いて,当日新たに学ぶ内容を説明した後に,講義終盤の10分 程度を使って,当日学んだ内容の理解度を確認するためのQuizを出題し,演習を行う. Quizの答案はGoogle form等を用いて回収するが,その際に,当日の講義内容に関する質問等を 併せて受けつける.これらの質問に対する回答は,次回の講義開始時に,「前回の復習」のコーナーで行う.
・日程
以下の日程に沿って講義を進める. 1. 平面・空閑ベクトルと複素数 2. 行列と連立一次方程式 3. 簡約化 4. 連立一次方程式の解の分類 5. 中間試験とまとめ 6. 2次の正方行列の演算 7. 2次正方行列の逆行列と行列式 8. 平面上の一次変換 9. 行列の演算 10. 逆行列 11. 行列式 12. 行列式の性質 13. クラーメルの公式 14. 現代物理学やデータ科学との関連 15. 期末試験とまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書の該当する項目を予習しておくこと。毎回だす課題は自分で解いて内容を理解すること。遅刻、欠席はしないこと。1/3以上の欠席は受験資格を認めない。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
毎回課題を出すので、自分の力で再度解いてみること。解き終わった後も教科書にある類似の問題を解くこと。学修時間の基準は45時間である。
【成績の評価】
・基準
科目の達成目標に記載した項目について,正しく理解し、計算できることを合格の基準とする。
・方法
中間試験30点,期末試験30点,毎回のQuizの通算成績を40点として,100点満点で評価する.合計で60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
(テキスト)三浦毅・早田孝博・佐藤邦夫・高橋眞映共著「線型代数の発想」学術図書出版社 (参考書)寺田文行著 「線形代数 増訂版」 サイエンス社,内田伏一他著「線形代数入門」 裳華房
【その他】
・学生へのメッセージ
Google formなどを用いて,質問のしやすい環境を作っていく予定です. 質問以外にも,講義に対する意見・要望なども遠慮なく書いて教えてください. また,この科目は複数クラスで実施し,共通の到達目標に照らして評価を行います.
・オフィス・アワー
非常勤講師が講義を担当するため,質問等への対応は基本的にGoogle form等を用います.
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