化学・バイオ工学基礎Ⅰ
 Introduction to Applied Chemistry, Chemical Engineering, and Biochemical Engineering Ⅰ
 担当教員:松嶋 雄太 (MATSUSHIMA Yuta),伊藤 和明 (ITO Kazuaki)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修 
【授業の目的】
本講義は、2年次以降に開講される専門科目の導入として無機化学基礎と有機化学基礎を学習することが目的である。
この授業では、さまざまな物質の性質を知ることで、私たちの身の回りにある化学物質についての理解を深め、無機化学や有機化学が単に化学の基礎学問としてではなく、いかに私たちの生活に密接に関わっているかを学ぶ。化学で取り扱われる基本的な用語を理解するのはもちろん、無機化学物質および有機化学物質の命名法や化学反応式、物質の構造、物質の性質および物質の変化を理解し、地球を取り巻く大気や水の性質が関わる地球環境,生活の中における無機化学・有機化学を理解する。

【授業の到達目標】
(1)数値の精密さや単位と物理量について説明できる。
(2)無機化合物の名称から化学式を書くことができる。また、化学式から物質名を記述できる。
(3)電子の授受を理解した上で化学反応式を立てることができる。
(4)原子の内部の電子構造および原子同士の化学結合について説明できる。
(5)有機化合物の分子構造について混成軌道をもちいて説明できる。
(6)有機化合物の双極子モーメント、共鳴構造、形式電荷について説明できる。
(7)アルカン類について名称から構造式を記述できる。また、構造式から名称を記述できる。
(8)アルカン類の配座異性体について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
有効数字、SI単位、化学量論、化学反応式、波動方程式、エネルギー準位、イオン結合、共有結合、水素結合、混成軌道、線結合構造、短縮構造、骨格構造、極性共有結合、双極子モーメント、形式電荷、共鳴構造、有機酸と有機塩基、アルカン類の命名法、配座異性体

【科目の位置付け】
この講義は、2年次以降の専門科目の導入として開講される科目であり、1年次のうちに履修することが望ましい。
この講義は,幅広い教養と汎用的技能を獲得するものである。(化学・バイオ工学科ディプロマ・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
下記の授業計画(日程)に従い、90分講義を15回行う。授業では適宜プロジェクターや黒板を使用する。授業で学んだ事柄の理解を深めるために、授業中や授業終了後にWebClass上で演習(小テスト)を行う。
・日程
第1回目 有効数字
第2回目 濃度の表し方と単位
第3回目 無機化合物の命名法
第4回目 酸化数
第5回目 化学反応式の立て方
第6回目 原子の構造と電子配置
第7回目 元素の一般的性質と周期性
第8回目 前半まとめと中間試験
第9回目 炭素の混成軌道
第10回目 窒素、酸素、リン、硫黄の混成軌道
第11回目 極性共有結合と形式電荷、共鳴構造
第12回目 酸と塩基
第13回目 アルカン類の命名法
第14回目 アルカン類の配座異性体
第15回目 演習
第16回目 後半まとめと期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
概念的な理解が容易でない内容も含まれるので毎週受講してください。
新型コロナの感染状況に応じて、「講義室」、「講義室+オンライン」、「オンラインのみ」の形態で開講します。講義室では、私語等他の受講生の迷惑となる行為は禁止です。質問の際は、ミニッツペーパーやWebClassのメッセージ機能を利用しましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
高校で使った物理と化学の教科書を読み直してみよう。予習、復習の時間を確保し、週に1度は図書館などで「無機化学」や「有機化学」に関連した本を読むなどして興味や知識を深めよう。講義とは違った角度から説明されているので、自分がイメージしやすい説明を探してみると良い。

【成績の評価】
・基準
到達目標に基づき、無機化学・有機化学に関する基礎的な概念を理解して適切に説明できること、簡単な計算問題に正しく解答できることを合格の基準とします。
・方法
授業中または終了後に行う演習と定期試験で成績を評価する。演習では、その理解度に応じて点数を加算した合計を演習点とする。中間試験は第1回から7回まで、期末試験は第9回から第14回までの講義内容を試験範囲とする。なお、全ての目標を達成するため、演習点、期末試験のいずれも原則6割以上の点数で合格とする。

【テキスト・参考書】
・「理工系基礎レクチャー 無機化学」 化学同人 鵜沼 英郎 (著), 尾形 健明 (著)
・「マクマリー有機化学(上)第9版」 John McMurry (著), 伊東 椒, 児玉三明, 荻野敏夫, 深澤義正, 通 元夫 (訳)(東京化学同人)

【その他】
・学生へのメッセージ
毎週、演習をするので必ず出席をすること。とにかく授業に出ることが肝要である。毎回授業の終わりに行う演習は、自分で考えて解こうとする態度が大事であり、その習慣を是非身に付けて欲しい。
・オフィス・アワー
各教員のオフィスアワーを参照のこと。必要がある場合には研究室をたずねること。ただし、1年次のうちは教員のオフィスが異なるキャンパスにあるので、メールやWebClassのメッセージを利用したり、授業終了後などの時間に質問すると良い。

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