【授業の目的】
人間社会と森林との関わり方を観察・分析するために必要な社会科学的方法を学ぶ。
【授業の到達目標】
経済学と社会学という社会科学の基礎的な考え方をツールとして用いて、森林と社会とのかかわりを理解・分析できる。理論的・演繹的な考え方と実証的・帰納的な考え方を意識的に区別できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
森林管理問題、経済学、社会学、新制度学派
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
CP(1)、(2)、(3)、(5)、(6)に関連する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを 15.陸の豊かさも守ろう 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
授業実施形態は、面接授業と遠隔授業の併用とする。原則として講義形式で行なう。
・日程
1 本講義の目標と計画 2 林野所有の形成と所有構造 3 林業における流通構造と森林管理問題 4 社会科学における理論的研究と実証的研究 5 経済学アプローチ1:効用価値説 6 経済学アプローチ2:外部性とその測定 7 経済学アプローチ3:Rによる分析 8 ゲーム理論アプローチ1 9 ゲーム理論アプローチ2 10 協力研究1:Ostromの研究 11 協力研究2:協力の進化 12 協力研究3:Rによる分析 13 社会学アプローチ1:社会関係と社会構造 14 社会学アプローチ2:社会関係資本論と規範理論 15 社会学アプローチ3:Rによる分析
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
エコサイエンスコースには社会科学系の授業が少ないので、経済学や社会学の初歩的な事項から丁寧に説明します。理解不足の点や疑問点があれば積極的に質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義中に紹介する文献のうち、関心があるものはぜひ手に取って読んでください。森林や林業は資源の成長に極めて長い時間を要するため、歴史を理解することが重要です。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標である経済学と社会学という社会科学の基礎的な考え方をツールとして用いながら、森林と社会とのかかわりを理解・分析できること、ならびに、理論的・演繹的な考え方と実証的・帰納的な考え方を意識的に区別できることを基準とします。
・方法
ミニレポートおよび最終レポートによる。
【テキスト・参考書】
テキストは使用せず、毎回資料を配布します。各回に文献を紹介しますので、関心を持ったものがあればぜひ読んでください。 飯田高. 2016. 法と社会科学をつなぐ. 有斐閣. グレゴリー・マンキュー. 2019. マンキュー経済学I ミクロ編(第4版). 水本邦彦. 2003. 草山の語る近世(日本史リブレット52). 山川出版社. 永田信. 2015. 林政学講義. 東京大学出版会. オストロム、エリノア. 2022. コモンズのガバナンス:人びとの協働と制度の進化. 晃洋書房. パットナム、ロバード・D. 2001. 哲学する民主主義. NTT出版(河田潤一訳). 盛山和夫. 2021. 協力の条件. 有斐閣. 盛山和夫編. 2015. 社会を数理で読み解く. 有斐閣. 高根正昭. 1979. 創造の方法学(講談社現代新書). 講談社. 渡辺隆裕. 2008. ゼミナール ゲーム理論入門.日本経済新聞出版.
【その他】
・学生へのメッセージ
社会科学の営みの面白さを伝えたいと思っています。
・オフィス・アワー
在室時はいつでも対応します。あらかじめ長時間(およそ20分以上)要することが分かっている場合は、事前にメール等で連絡ください。
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