【授業の目的】
農学研究に必要なデータ解析の方法を学ぶことを通して、科学的思考力や情報処理能力を身につける(ディプロマ・ポリシーDP3(4)、カリキュラム ポリシーCP1(2)))ことを目的とする。
【授業の到達目標】
1)統計学の基本的な用語を理解できる。【知識・理解】 2)研究データを統計的に要約できる。【知識・理解】 3)データ間に有意な差があるかどうかを客観的に判断できる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
基本統計量、平均値の比較、回帰分析
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:51~75% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
基礎科学の知識を多角的に用い、研究データを多面的に解析できる技能を身につけるものである(ディプロマ・ポリシーDP3(4)、カリキュラムポリ シーCP1(2))。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
この授業はリアルタイムの遠隔授業で行う。前回の復習と補足説明、毎回その時間の学習目標となる例題を示し、教科書に沿った講義とパソコンを使った演習で授業を進める。講義資料の配付やレポートの授受にはWebClassを使う。必ず講義前日までに資料をダウンロードして講義に望むこと。
・日程
1.オリエンテーション、講義の概要、WebClassの使い方、レポートの送り方など(第1回) 2.データの整理 ―記述統計学―(第2-3回) 3. 確率分布―二項分布、正規分布など(第4-5回) 4. 不偏推定量と標本分布―推測統計学―(第6回) 5. 信頼区間の推定(第7回) 6.χ2分布とF分布(第8回) 7.検定の基本(第9回) 8. χ2分布による独立性・適合度の検定(第10回) 9.2群の平均の差の検定 (第11-12回) 10.3群以上の平均の差の検定―分散分析(第13-14回) 11.回帰と相関(第15回)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)統計学は講義を聴くだけでは決して理解できない。講義時間に例題を解くので、自分でも手を動かしながら聞いて欲しい。 2)テキスト「入門統計学」は必ず準備すること。パソコン(PCと略;MS-Excelがインストールされたもの)を準備すること。MS-Execを含む Microsoft365の最上位版は山形大学の学生は在学期間中は無償で使えるので、WebClassなどを確認すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)復習を兼ねて、授業で出した練習問題やレポート(さらに教科書の章末問題なども)を解いてみること。授業でときどき理解度を確認するため にレポートを出すので、必ず提出すること。また教科書の次回の内容に目を通しておくこと。rレポート作成も含め週に4-5時間は予復習が必要。分 からないときは、複数の参考書を調べたり、受講者同士で教えあったりすること。それでも分からないときは教員に質問すること。ただし、絶対に 他人のレポートをコピーしないこと。 2)さらに図書館などにおいてある様々な統計学の本を開いてみて、授業に関連した演習問題を解いてみたり、授業では説明しなかった統計手法を 調べたりして、積極的に統計学に触れてほしい。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した1)統計学の基本的な用語を正しく理解し説明できること、2)実験データを適切に要約できること、3)比較したいデータ間 に有意な差があるかどうかを統計学の理論に基づいて客観的に判断して結果を説明できることを合格の基準とする。
・方法
授業態度40点、レポート60点、合計100点満点とし、60点以上を合格とする。 レポートは6回程度出す予定である。レポートの意図が理解できているかどうかをチェックするので、答えが導かれるまでの過程をきちんと書くこ と。答えの数値しか書いてないレポートや、分からないからといって白紙のようなレポートは不可とする。レポートは毎回の合計点を60点満点に換 算してレポート点として評価する。
【テキスト・参考書】
<テキスト> 栗原伸一著「入門統計学(第2版):検定から多変量解析・実験計画法まで」オーム社 < 参 考 書 > 1)栗原進一著「統計学図鑑」オーム社→一つの項目を簡潔に見開き2ページでイラストや図表をふんだんに用いて概念を分かりやすく紹介している。テキストと組み合わせるとより分かりやすい。 2)向井文雄編著「生物統計学」基礎生物学テキストシリーズ9 化学同人→統計学を広く分かりやすく紹介している。農学分野の例題が多く、レイアウトが工夫されており読みやすい。 3)米澤勝衞ほか「生物統計学」朝倉書店→分散分析の項は初心者にやや難しいが、それ以外は実例も豊富で分かりやすい。 4)統計学教育研究会編「らくらく統計学」ムイスリ出版→分散分析も含めて統計学を広く分かりやすく紹介している。 5)石村貞夫「分散分析のはなし」東京書籍→どんな実験計画に対して、どんな分散分析を選び、どのような計算をすればよいか分かりやすく紹介されている。計算の過程を読みながら理解できる。 6)有馬 哲・石村貞夫「多変量解析のはなし」東京図書→研究や生活の場面で多変量解析は非常に役に立つが、それを理解するのはややむずかしい。しかしそれを思い切って分かりやすく解説した入門書。どんな場面にどんな多変量解析が役立つのかが容易に理解できる。 7)永野裕之・岡田謙介「統計学のための数学教室」→ルート、積分など、統計学に必要な高校数学までをやさしく復習し、統計学とのつながりも分かる。数学が苦手な学生への良書。
【その他】
・学生へのメッセージ
1)パソコンソフトを使えば統計解析の結果は容易に得られる。しかし,その結果をどう解釈したら良いのかは統計学を学んでいないと全く理解できない。さらに実験・調査精度を改善したり、データの説得力を高めたりするには、統計学を学ばなければ分からない。自分の手を動かして例題を解くことで理解が深まり,統計学の楽しさを知ってもらえるだろう。 2)レポートはWebClassで送ってください。ファイル名は学生番号(半角数字)+氏名+元のファイル名とする。
・オフィス・アワー
簡単な質問なら授業終了直後に対応できるが、確実に質問・相談したいときはメールなどで事前に予約をもらえるとありがたい。
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