流域保全論
 流域保全論
 担当教員:Lopez Caceres Maximo Larry(Lopez Caceres Maximo Larry)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科森林科学コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
持続可能な森林管理と流域の保全に向けて
森と川と海は縫い目のないひとつながりの生態系であるという観点から、私たちの暮らしを守り、快適に、豊かにしてくれる森林のはたらきについて広い視野でとらえ、森林の恵みを将来にわたって上手に利用していくためには何が必要か、自然と人間の共生、森林との上手なつき合い方、流域保全のありかたについて学習する。

【授業の到達目標】
グローバルな環境問題と深い関わりを持っている世界と日本の森林資源の現状、森林の環境形成作用のしくみ、森林の有する多面的な機能、環境保全的な森林の取り扱い方について学習することを通じて、上流域の森林と河川と海はひとつながりの生態系として観る目を養う。

【授業概要(キーワード)】
気候変動に関しては世界と日本の森林生態・変化・適用性、森林の環境形成作用、持続可能な森林管理、流域保全、安定同位体比

【科目の位置付け】
専門教育科目
この従業は流域管理の問題について森林生態系観点から論理的に分析し、解決策を提案する力を身に付けるものである。なお、本授業を受講する前に、水文学や土壌学を受講しておくことが望しい。

【授業計画】
・授業の方法
授業は講義とエクスカーションによる。講義はパワーポイントとビデオを用いて実施する。エクスカーションは上名川演習林のフィールドにおいて行う。毎回の授業時に配布するレスポンスカードに、講義の要点、感想、質問、要望などを必ず記入すること。授業内容を深めることに役立つ質問事項については次回の講義時に回答する。
・日程
講義は以下の内容で実施する。
1)世界の森林・林業
2)アグロフォレストリー
3)日本の森林
4)水と森林
5)雪と森林
6)土と森林
7)森林の炭素・栄養・水循環
8)持続可能な森林管理
9)流域の保全
10)森林の研究に関する安定同位体比分析

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義に積極的に参加すること。講義前に配布するレスポンスカードは出席票を兼ねる。遅刻、早退、私語は真面目に受講している人に多大な迷惑をかけることになるので厳禁する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
森林の多面的な機能についてあらかじめ学習しておくと理解が深まりやすい。
興味をもった分野に関連する専門的な文献について、インターネットなどで検索し、知識をさらに深めて欲しい。

【成績の評価】
・基準
レスポンスカードとレポートにより学習態度、学習意欲、授業内容の理解度を評価し、レポートについては課題に対する内容の適切さ、平易さ、簡潔さを評価する。ただし出席回数が2/3以上であることが前提。
・方法
学習態度、学習意欲、授業内容の理解度について30%、レポート内容について70%を目安に評価する。

【テキスト・参考書】
必要に応じて講義資料を配付する。
1)藤森隆郎:森との共生、持続可能な社会のために、丸善、2000
2)石城謙吉:森はよみがえる、都市林創造の試み、講談社、1994
3)小野寺弘道:雪と森林、林業科学技術振興所、1990
4)全国大学演習林協議会編:森へゆこう、大学の森へのいざない、丸善、1996
5)全国大学演習林協議会編:森林フィールドサイエンス、朝倉書店、2006
6)高谷精二編著:砂防学概論、鹿島出版会、1991

【その他】
・学生へのメッセージ
Let's explore the forest together and find out the response of different tree species to the effects of inter- and intra-annual climate variation.
エクスカーションは演習林における森林作業と軽登山からなるので、アウトドアに適した服装と装備が必要である。具体的な事項については事前に説明する。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を流域保全研究室(2号館3階2354室)において水曜日10:00~12:00の間に設けます

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