【授業の目的】
陸水域は、ヒトの生活圏と地域固有生物の生息圏が密接する環境である。本講義では相互の関係性について生態学および理化学的に理解し、将来的な課題について協議・考察する。 ヒト(我々)の生活圏と他の生物の生活圏との位置関係に留意しながら、相互作用について学ぶ。これらを理解するために、山地渓流域から沿岸域までの様々な事例を紹介する。ヒトが環境に及ぼす影響とその構造について理工学的な理解も求めたい。 以上を踏まえ、一つの事象を理解するためには複眼的な視点を持つ必要性があること、現地で、どのような声に耳を傾ける必要があるかを会得してもらう。
【授業の到達目標】
・我が国の陸水域における現在の課題を討議することができる。 ・理工学的調査の必要性と生態学的知識の重要性を感じることができる。 ・一般論に安易に迎合しない思考力と理解力の向上を感じることができる。
【授業概要(キーワード)】
陸水、生態間相互作用、撹乱、渓流魚、田んぼの生き物、生態資源、環境科学、生活圏,アクティブラーニング
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
本講義が扱うテーマは、理工学的分野から生態学的分野まで幅広い知識を取り込みながら今日的な課題について論理的に分析し,解決策について提案するちからを身につけるものである(農学部カリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
06.安全な水とトイレを世界中に 11.住み続けられるまちづくりを 15.陸の豊かさも守ろう 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
面接授業とリアルタイム遠隔授業の併用で実施する。 講義はパワーポイントを主体に、板書を併用して進める。 教員および学生間での意見交換の時間を多くとる。
・日程
1.陸水環境とは 2.水田の構造 3.農業用水路の構造と問題 4.土地改良法改正後の行政の取り組み 1)制度の変更について 2)生態系配慮工法その1 3)生態系配慮工法その2 4)生態系配慮工法その3 5)ミチゲーション 5.生態系配慮工法の技術的問題点について 6.事業期間と住民合意形成 1)ほ場整備事業の実施期間 2)保全対象生物の決め方 3)住民合意形成 7.ワークショップ 1)第1回協議会 2)第2回協議会 3)結果について 8.(総論)水田域における生態系の保全のために
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
ガイダンス時に述べる受講にあたってのルールを厳守すること。 本講義は、積極的な発言を歓迎する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義に関連する用語や興味ある事象について、各自が調べ理解を深めること。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標に示すとおり,我々の身近な陸水環境にある今日的な課題について,講義を通して得られた知識に基づいて主体的に考察し,論述や議論に能動的に参画できることが合格の基準です。
・方法
出席・レポート・講義中に行う討論などへの参加姿勢・最終課題に対する回答など総合的に判断する。
【テキスト・参考書】
適宜紹介する
【その他】
・学生へのメッセージ
教員および学生間での意見交換を頻繁に行います。関連図書や資料に基づいた主張や質問などを推奨します。 復習をしっかり行うこと。また本講義は後期「河川環境調査論」と強く関連した内容となっています。
・オフィス・アワー
在室時はいつでもどうぞ。メールでの予約が確実です。
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