【授業の目的】
森林資源の主体をなす木材の利用法について学習する。 木材が物理的,化学的にどのように加工され,利用されているのか学習することで,林産に関わる森林資源利用の現状を理解し,材料化学的視点から森林について解析するための基礎知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
木材の利用法について学習することで,林産物製造・加工技術・バイオマス利用技術の原理,技術的課題と対応策を理解する。林産学分野における化学技術の開発・応用などの基礎知識を習得し,森林資源利用の新しい関係を探ることができる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
林産製造,製材,木材化学,木材の物理・化学加工,木炭,パルプ,バイオマスエネルギー
【科目の位置付け】
木材産業,バイオマス・エネルギー産業、林産化成品産業などの製造原理は今後とも重要であり,環境保全と資源利用の両立を目指す学問分野の学生には必須の知識である。本科目は,森林・林業・林産業および社会の実態を理解し、物事を多面的かつ重層的に考える能力を身につけるものである。(コースのカリキュラムポリシー)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
面接授業と遠隔授業の併用。林産製造学の基礎,木材の物理・化学加工について各テーマごとに講義し,理解度を問う試験を行う。
・日程
主要なテーマと順序は以下の通りである。 1. 授業の概要説明,2.樹木化学の基礎I, 3.樹木化学の基礎II, 4.樹木化学の基礎III,5. まとめとテスト, 6. .合板と単板積層材, 7. 集成材と接着剤,8. 削片板と繊維板,9. まとめとテスト, 10. 表面処理,11. 寸法安定・WPC処理,12. 保存処理(防腐,防虫)と防火・難燃処理,13. 紙・パルプの製造,14. 熱分解と炭化, 液化法,15. まとめとテスト なお,日程と内容は状況に応じて変更もありうるので掲示等に注意すること。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自ら参考図書と講義の内容を纏めて整理することが必要である。 内容の理解できない部分は質問すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
林産物の基本的製造原理については多くの参考書がある。新しい森林資源利用の問題点などについては最近の雑誌,新聞などによる情報収集に努めることが望まれる。 多岐にわたるので自主的に図書・文献の調査等を行うこと。
【成績の評価】
・基準
目標に示した木材利用の現状を理解し,林産学分野における化学技術の開発・応用などの知識が習得できているかを合格の基準とする。
・方法
3回のテスト、履修態度および出席状況を総合的に考慮して判定する。
【テキスト・参考書】
初回の授業で以下の参考図書等を紹介する。 城代,鮫島(編),「木材化学講座4,化学」,(海青社,1996) 森林総合研究所(監修),「木材工業ハンドブック」(丸善,平成19年) 今村博之ら(編),「木材利用の化学」,(共立出版,昭和58年) 日本木材学会編,「木材学(基礎編)」,(海青社 2023年) 日本木材学会編,「木材学(応用編)」,(海青社 2023年) 秋田県立大学木材高度加工研究所(編),「コンサイス木材百科」,((財)秋田県木材加工推進機構,2002年) 岡野・祖父江(編),「木材科学ハンドブック」,(朝倉書店,2006年) 佐々木「バイオ系の材料力学」,(海青社,2015年) など
【その他】
・学生へのメッセージ
森林資源の利用は,森林環境保全との兼ね合いで検討されねばならない。その為には森林資源の特徴,利用技術の現状と課題を熟知しなければならない。教養課程での物理学,化学に関する講義,森林化学,森林資源利用学などを履修した後,受講することが強く望まれる 化学・生物学・物理学の基礎知識が必要である。さらに,化学(工学)技術関係の入門書の購読が望まれる。
・オフィス・アワー
研究室では随時対応するが,事前にメールで問い合わせてください。
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