【授業の目的】
組合員、国民、行政が期待する森林組合の役割と、協同組合組織である森林組合が抱える課題と展望について、実務者の立場から分かりやすく講述する。
【授業の到達目標】
・森林組合の第一線で活躍してきた現場実務者の講義を通じて、森林組合の運動論を理解することができる。【知識・理解】 ・国内林業の多くが植林から保育、林産、販売まで補助金無しでは成立しない現状にある中で、私有林の7割を組合員とする森林組合組織が、常に直面している二面性(政策と作業現場、山づくりと原木安定供給、経営と所有等)から、森林組合と国内林業の実態について再認識し、現実の国内林業の本質を直視する能力を身につけることができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
森林・林業政策、地域森林管理、森林組合、森林の多面的利用と雇用創出、多角的経営
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
エコサイエンスコースのディプロマ・ポリシーのうち、「森林・林業・林産業及び社会の実態を理解し、物事を多面的かつ重層的に考える能力を身につけている。」および、「事実や結果に基づいた議論を通して、自分の考えを主張できる能力を身に付けている。」を習得するための科目です。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 08.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを 13.気候変動に具体的な対策を 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
講義は,教員が作成した講義資料にしたがって,講述による方法にもとづいて進めます.
・日程
1.森林組合の現状(第1~4回) 2.森林組合の史的展開と課題(第5~8回) 3.森林組合の協同組合性(第9~12回) 4.今後の森林組合問題と森林・林業問題(第13~15回)
以上は予定であり変更する場合もある.
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
基本的には講義資料にしたがって講義を進めます.ただし講義資料には記載されていないことも説明する場合があるので,聞き漏らさずに,随時,メモを取って復習に役立ててください.不明な点は放置せずに積極的に質問して下さい.また,講義中は,スマートフォン,携帯電話等は電源を切って鞄にしまい,他の受講生の迷惑にならないように,お気遣いください.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義を通じて森林組合や国内林業について関心を高めてもらい,講義後においても,各自が新聞・業界誌等で情報収集しながら可能な限り認識を深めてもらいたいです. 本学が開講する森林学の社会科学系において,森林・林業・山村(川上)~製材・木材加工(川中)~住宅建築市場(川下)を対象とする林政学分野を体系的に理解するためには,2年後期「林業経済学」,3年前期「住宅市場論」,3年前期「森林組合論」,3年後期「林政学演習」を段階的に全て受講することが望ましいです.また同分野において調査研究を行う場合にも,これら全ては必要不可欠な科目です.
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した森林組合の第一線で活躍してきた現場実務者の講義を通じて、森林組合の運動論を理解することができること、また、国内林業の多くが植林から保育、林産、販売まで補助金無しでは成立しない現状にある中で、私有林の7割を組合員とする森林組合組織が、常に直面している二面性(政策と作業現場、山づくりと原木安定供給、経営と所有等)から、森林組合と国内林業の実態について再認識し、現実の国内林業の本質を直視する能力を身につけることができたことを合格の基準とします。
・方法
100点満点として、レポート(50%)、リアクションペーパー等(50%)にもとづいて評価します。レポートは国内林業の動向および森林組合の実態等に関する内容とします。
【テキスト・参考書】
テキスト ・講義時配布資料(森林組合の組織・事業活動に関する内容の資料) 参考書 ・森巌夫編「林業経済論」農山漁村文化協会,1983年 ・全国森林組合連合会森林組合制度史編纂委員会編「森林組合制度史Ⅰ~Ⅳ」全国森林組合連合会,1973年
【その他】
・学生へのメッセージ
森林組合での豊富な実務経験にもとづいた講師の講述にもとづいて,地域主体の現場実践的な森林・林業の現状について学習できる貴重な機会としてほしい. 集中形式で行うため他講義との受講調整が必要になる場合があります.
・オフィス・アワー
講義に関して照会が必要な場合には、所管常勤教員へのメール連絡または教員研究室への来室(要事前連絡)により対応します。
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