林政学演習
 Practice of Forest Policy
 担当教員:小川 三四郎(OGAWA Sanshiro)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科エコサイエンスコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:エコサイエンスコース  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
森林・林業、山村、環境における経済学、政策学の応用として、現実の政策問題の分析を演習形式で行います。森林・林業白書を教材として、現代社会の森林・林業、山村、環境問題に関するアウトラインについて体系的に把握し、森林学の標準的知識を習得します。

【授業の到達目標】
・森林・林業、山村、環境問題の生きた姿について、森林・林業白書の利用を通じた社会科学の基本的方法にもとづく分析視角を理解し説明することができる。 【知識・理解】
・政策と実態の現状について批判的に検証し、実態の本質を捉える分析視角を身に付けることで社会動向を的確に見定めることができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
森林、林業、山村、環境、白書、政策、法律、社会統計、社会調査、学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
エコサイエンスコースのディプロマ・ポリシーのうち、「自分が生きている社会の現状を認識し、それをもとに問題点を判断し、改善に向けた行動ができる。」、「現代社会を生き抜くための基本技能として、幅広い教養と専門性を背景にした論理的思考力と協調性及び膨大な情報の取捨選択力を身に付け、社会生活に活用できる。」、「多様な価値観を理解し、議論を通して自らの考えを論理的に説明することにより、相互理解を促進する交渉能力がある。」、「事実や結果に基づいた議論を通して、自分の考えを主張できる能力を身に付けている。」を習得するための科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
05.ジェンダー平等を実現しよう
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
教員が初回授業において進め方の詳細を説明します.大筋としては次の通りです.
①教員が指定した森林・林業白書について,受講者が分担して要約資料を作成する.
②受講者が要約資料にもとづいて,輪番で講義日に要約内容を発表する.
③発表内容に対して,聴講者は,質問,意見,感想を発言して討論を行う.
最後に教員が受講者の理解の過程に合わせて補足説明を行います.
全体を通しても,要約資料の作成の方法,発表・討論の方法などは教員が随時,助言していきますので,積極的に参加してください.
・日程
1.ガイダンス(第1回)
2.当年度の森林・林業白書の演習(第2~14回)
3.総括的演習(第15回)

なお、以上の日程・内容は変更になる場合もあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
演習形式なので受講生の参加型で行います。積極的に発表(討論)に参加して理解を深めて下さい。また、講義中は、スマートフォン、携帯電話等は電源を切って鞄にしまい、他の受講生の迷惑にならないように、お気遣いください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
日頃から森林・林業、山村問題に関心を持ち、ジャーナルな記事から学術誌や専門図書にいたるまで収集し、よく読みこなして理解を深めて下さい。
本学が開講する森林学の社会科学系において、森林・林業・山村(川上)~製材・木材加工(川中)~住宅建築市場(川下)を対象とする林政学分野を体系的に理解するためには、2年後期「林業経済学」、3年前期「住宅市場論」、3年前期「森林組合論」、3年後期「林政学演習」を段階的に全て受講することが望ましいです。また同分野において調査研究を行う場合にも、これら全ては必要不可欠な科目です。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した森林・林業、山村、環境問題の生きた姿について、森林・林業白書の利用を通じた社会科学の基本的方法にもとづく分析視角を理解し説明することができること、また、政策と実態の現状について批判的に検証し、実態の本質を捉える分析視角を身に付けることで社会動向を的確に見定めることができることを合格の基準とします。
・方法
100点満点として、発表と討論への参加(50%)、レポート(30%)、リアクションペーパー等(20%)にもとづいて評価します。なお、授業計画(日程)の「5.総括的演習(第15回)」では、当年度の森林・林業白書に関する論評のレポート提出とします。

【テキスト・参考書】
【テキスト】
1.林野庁編「令和7年版 森林・林業白書」全国林業改良普及協会,2025年
2.東京農工大学農学部 森林・林業実務必携 編集委員会編「森林・林業 実務必携 第2版 補訂版」朝倉書店,2024年

【参考書】
1.林野庁編「森林・林業統計要覧」日本森林林業振興会
2.環境省編「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
3.過疎対策研究会「過疎対策データブック 過疎対策の現況」

【その他】
・学生へのメッセージ
授業計画(日程)の2は受講生の発表(討論)形式で行います。公務員試験の受験予定の方にとっても有意義な演習になります。
・オフィス・アワー
講義に関して照会が必要な場合には、メール連絡または教員研究室への来室(要事前連絡)により対応いたします。

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