【授業の目的】
欧米における生涯学習の理念の成立の過程、その日本への導入の過程を理解した上で、主に日本における生涯学習に関わる施策・制度を再考しつつ、生涯学習社会を実現していくための現実的課題を理解する。
【授業の到達目標】
(1) 欧米における生涯教育論(生涯学習論)の成立の背景から展開、さらにはそれらの特徴に関して理解できる。【知識・理解】 (2) 欧米における成人学習論の展開とその特徴及び課題について理解できる。【知識・理解】 (3) 日本における生涯学習施策の展開とその特徴および課題について理解できる。【知識・理解】 (4) 日本における生涯学習の諸相についてその実態と課題について具体的に考察し、それぞれの見解を明示できる。【知識・理解】【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
アンドラゴジー、自己主導的学習、社会教育施設、学社連携、NPO、指定管理者、地域学校協働活動
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
児童教育コースおよび文化創生コースの中心科目に位置づけられており、さらには社会教育主事任用資格取得(「社会教育士」付与)、博物館学芸員資格取得に関わる必修科目ともなっている。特に本学部のディプロマポリシーである、「自ら主体的に問題意識を持ち、常に学び続けることができる」「地域社会とともに学び地域に貢献する意欲のもとに、多様な考え方や異なる立場を尊重し、他者と協働して課題解決に取り組むことができる」「地域課題に柔軟に対応し、他者と協働しながら課題解決に取り組むことができるコミュニケーション能力がある」の実効化に寄与する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 11.住み続けられるまちづくりを 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
主に授業概要に上掲した内容について、テキストおよび配付資料によって講義を行う。対面実施を前提とする。
・日程
1.オリエンテーション 2.生涯学習とは何か 3.生涯学習の理念と方法(1)欧米の動向を中心に 4.生涯学習の理念と方法(2)日本での展開 5.日本における生涯学習施策の展開 6.生涯学習の内容と方法(1)学習法をめぐって 7.生涯学習の内容と方法(2)ノンフォーマルな形態を中心に 8.学校教育と生涯学習(1)生涯学習社会における学校の位置づけ 9.学校教育と生涯学習(2)学校と地域の連携・協働 10.社会教育施設と生涯学習(1)社会教育施設の歴史と現状 11.社会教育施設と生涯学習(2)社会教育施設と指定管理者制度 12.学習成果の評価と資格化社会 13.生涯学習とNPO 14.生涯学習とまちづくり 15.試験および解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)講義内容について、適宜配付資料へのメモおよびノートへの筆写等にて内容の理解を深める。 2)時間内に内容を理解できない場合は、適宜講義中および終了後に質問をしてもらいたい。次回の講義にも反映させたい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
次回予告した内容に関して、インターネットや図書館配架雑誌等によって事前に目を配っておくことが望ましい。 講義中に理解できなかった用語等については、自分でも主体的に調べてもらいたい。
【成績の評価】
・基準
講義で説明した基礎概念や用語について、適切に理解できているかを合格の基準とする。なお、三分の二以上の出席がないと成績を評価しない。
・方法
講義中に通算2回実施する小テスト(30%)および期末試験(70%)による。
【テキスト・参考書】
テキスト:田中雅文・坂口緑・柴田彩千子、宮地孝宜『テキスト生涯学習 学びがつむぐ新しい社会 [新訂2版]』学文社、2020 参考書:手打明敏・上田孝典編著『社会教育・生涯学習』ミネルヴァ書房、2019
【その他】
・学生へのメッセージ
上記のように、本授業は社会教育主事任用資格(「社会教育士」付与)および博物館学芸員資格取得に関わる必修の概論としても位置づけられています。そのため、学校教員を含め、生涯学習支援に関わる行政職員(博物館学芸員も含む)およびNPO等のスタッフとしての立場からの講義内容となります。
・オフィス・アワー
授業時間以外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を地域教育文化学部1号館5階507研究室において、原則、金曜日の昼休みに設けます。ただし、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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