【授業の目的】
小学校社会科の1時間の授業構成に必要とされる教育内容論、教材論、教授行為論を扱う。子どもの学びを生みだす「しかけ」を理解することが目的である。
【授業の到達目標】
小学校社会科の目標と内容構造の特質を理解できるようになる。 社会科の授業構成に必要な教育内容と教材分析、教授行為のレパートリーを身に付けることができるようになる。 社会科の学習指導案の要件を理解し、作成できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
小学校社会科、授業構成、学びのしかけ
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
小学校教諭一種免許状における「教科及び教科の指導法に関する科目」(必修)の一つである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
次の点を取り上げる。学習ゲームと授業構成の基本概念、ディベートと社会科の本質、学習指導要領の歴史的展開と内容構造、発問づくりと教科書分析の方法、学習指導案と学習評価の基本的な考え方、授業構成と教授行為、社会科のICT活用
・日程
1 深い学びと「公共」試行問題-今後、求められる知識の質とは?- 2 「深い学び」と学習ゲーム、授業構成の4つの次元(教育内容、教材、教授行為、学習者) 3 教室ディベートの条件と「意見」の構成要素(三角ロジック) 4 マイクロディベートの体験と複眼的思考(メリットとデメリットの比較) 5 ディベートに埋め込まれた反論の2つのタイプ(主張型と論証型の区別)と反駁レポートの練習 6 社会科授業記録論における事実と解釈の方法 7 発問づくりと社会科の教科書分析(あいまいなところを探して疑問文をつくる) 8 学習指導案の要件と学習評価の基本的な考え方 9 学習指導案の作成練習(小4飲料水の確保の単元を事例に) 10 小学校社会科カリキュラムの歴史的展開(問題解決学習と系統学習) 11 小学校社会科の目標と内容の構造 12 見学と調査の指導(見たこと作文とICT機器の活用) 13 学習指導案レポートの返却と説明、 14 見たこと作文システムにおける「教える」と「学ぶ」の区別と関連 15 レポートの返却及びその評価と解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業中の体験的・作業的課題と授業後のレポート作成が連動している。レポート作成を意識して、授業にのぞむこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
レポートは4回予定されている。評価ポイントも事前に示されるので、それにそってレポートを作成することがのぞまれる。レポートが返却されたら、評価ポイントとてらしあわせて見直し、次のレポートの改善点として生かしていくこと。
【成績の評価】
・基準
講義内容へのコメント5回、レポート4回を中心に評価する。講義内容へのコメントは、複数回の授業を対象とする(対象とする授業へのコメントが含まれていない場合は、評価を減じる)。レポートの主題は、三角ロジック、教室ディベートの反駁、学習指導案の構成要素と学習評価、学習指導案作成の4つである。自由課題レポートを評価に含めることができる。評価の観点は、次のものである。 ・小学校社会科の1時間の授業構成に必要な教材分析、教授行為のレパートリーを説明できたか。 ・小学校社会科の内容構造やカリキュラムの特質を理解できたか。 ・小学校社会科の学習指導案の要件を理解し、学習指導案を作成できたか。
・方法
ポイント制をとる。学期末試験は行わない。詳しくは、最初の講義で説明する。授業内容コメント15%、4回のレポート72%、ミニレポート6%、これに自由課題レポートの成績が加算される。 レポートや授業コメントには、提出期限がある。これを過ぎて提出されたレポートやコメント等は、採点対象とはしない。レポート返却後、自分の成績に疑義がある場合は、当該のレポートが返却された日から2週間以内に、申し出ること。2週間を経過したら、そのレポートの成績は確定し、以後、変更には応じない。 自由課題レポートは、通常のレポートの成績が十分でない、もしくはさらに成績をあげたい場合に、積極的に提出することがのぞまれる。
【テキスト・参考書】
テキスト: 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』日本文教出版、142円。 レポートの課題図書: 鶴田清司 『論理的思考力・表現力を育てる三角ロジック』図書文化 1800円 江間史明・黒上晴夫・奈須正裕『教育の方法と技術』(アクティベート教育学12)、ミネルヴァ書房、2000円。 自由課題レポートの図書: 江間史明・黒上晴夫・奈須正裕『教育の方法と技術』(アクティベート教育学12)、ミネルヴァ書房、2000円。この文献の第7章から11章をレポートの対象とする。 江間史明・吉村敏之『教師として生きるということ』ぎょうせい、2400円、この文献の1章と2章1節をレポートの対象とする。この文献は小白川中央図書館を利用するか、中古品で入手してください。
【その他】
・学生へのメッセージ
社会科の動画資料については、NHK for School のホームページを参照してください。
・オフィス・アワー
後期は水曜の9:00-10:00。場所は地域教育文化学部2号館3階の江間研究室です。
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