【授業の目的】
公教育を支える教育制度等や学校教育の好循環を創る組織マネジメント、カリキュラム・マネジメント等、経営の側面から理解を深める。また教師としてやり甲斐や児童に充実した学校生活を保障する学校経営、学級経営の在り方をより幅広い視点から学ぶことを目的とする。
【授業の到達目標】
教育経営に関する講義と演習・ディスカッションを通して、下記4つのことができるようにする。 1)公教育の原理や理念、公教育制度を構成している教育関係法規、教育制度を支える教育行政の仕組みについて理解できる。(知識・理解) 2)学校・学級経営上の諸問題の解決方法について考察し、解決の手立てについて考えることができる。(知識・理解) 3)カリキュラム・マネジメントに基づく学級経営について理解し、小学校スタートカリキュラムを作成することができる。(技能) 4)学校の危機管理、地域との連携、保護者との関係づくりや特別支援教育の重要性を知り、信頼される学校づくりに関する今日的課題について、討議することができる。(態度・習慣)
【授業概要(キーワード)】
教育経営,学校・学級経営,信頼される学校,学校の危機管理、マネジメント
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
(専門科目 選択) この授業は,学校教育のために習得すべき専門的知識や技能として,教育経営の側面から教育課題の解決にあたることのできる資質・能力を身につけるものである(地域教育文化学部ディプロマ・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
・パワーポイントや配布資料を基に,講義形式及び演習・討論による授業を通して、教育経営についての理解と学級経営上の諸課題を解決できるようにする。具体的には次の4テーマを基に授業計画を作成する。 1)教育経営の基礎 2)学校・学級経営上の諸課題と対策 3)ICTの活用、カリキュラムマネジメント 4)信頼される学校 ・「教育経営の基礎」では講義・演習を中心に、学校経営及び学級経営の事例を通して公教育の原理や理念、公教育制度を構成している教育関係法規、教育制度を支える教育行政の仕組みについて理解できるようにする。 ・「学校・学級経営上の諸課題と対策」では、全国的な重要課題である「学力向上」「いじめ防止対策」を取り上げ、「教育経営の基礎」で学んだことも活かしながら、グループ協議を中心に諸課題の解決方法を考察する。 ・「ICTの活用」では、授業や子どもの学びを充実させるための活用の状況や利点について、「カリキュラム・マネジメント」では小学校スタート時の教科横断的なカリキュラムを作成する。 ・「信頼される学校」では、学校の危機管理、地域との連携、保護者との関係づくりや特別支援教育の課題と対策について討議し、学級経営の視点から具体的な取組を考える。
・日程
学習テーマ1:教育経営の基礎 第1回:教育経営の基礎①「公教育の法的・制度的仕組みの概要」 第2回:教育経営の基礎②「学校経営の仕組み」 第3回:教育経営の基礎③「学校における教育活動と学校評価」 第4回:教育経営の基礎④「学級経営の仕組み」 →評価①テスト「教育経営の基礎」 学習テーマ2:学校・学級経営上の諸課題と対策 第5回:学力向上対策と学校・学級経営①「課題と対策の考察」」 第6回:学力向上対策と学校・学級経営②「事例に学ぶ」「ICTの活用」 第7回:いじめ防止対策と学校・学級経営①「課題と対策の考察」 第8回:いじめ防止対策と学校・学級経営②「事例に学ぶ①」 第9回:いじめ防止対策と学校・学級経営③「事例に学ぶ②」 →評価②レポート「学力向上・いじめ防止対策と学級・学校経営」 学習テーマ3:カリキュラム・マネジメントと学級経営 第10回:小1初期の学級経営①(スタートカリキュラムの理解) 第11回:小1初期の学級経営②(演習:スタートカリキュラム作成) 第12回:小1初期の学級経営③(演習と協議:スタートカリキュラムの考察) →評価③プラン作成「小学校スタートカリキュラム」 学習テーマ4:信頼される学校 第13回:信頼される学校①「保護者との関係づくり」「特別支援教育の理解」 第14回:信頼される学校②「地域との連携・協働」 第15回:信頼される学校③「学校の危機管理」 →評価④レポート「信頼される学校を取り巻く諸課題とその対応」
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業の中では、下記のことを取り組んで下さい。 1)授業で示されるパワーポイント、資料を参考に講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めて下さい。 2)事例を通して、学校・学級経営上の課題を考察し、対策を話し合います。与えられた時間内で考察や対策を発表できるようにして下さい。また、発表者以外の人は積極的に質問するよう心がけてください。 3)事前学修や情報収集等、次時の準備等を含め学習時間の目安として1時間程度必要となります。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業時間外で各自、下記のことに取り組んで下さい。 1)学力向上、いじめの防止は学校・学級経営の大きな課題です。「出身都道府県の全国学力・学習状況調査結果」や「出身校のいじめ防止基本方針」はホームページに掲載されていますので閲覧して下さい。 2)4テーマの学習終了後に評価として、知識・理解を問うテストやまとめ・表現としてレポート、プラン作成等を課します。授業で使用した資料や関係する文献を読むなどしてください。 3)授業後の感想や話し合いの様子などを整理して、それぞれの授業終了後、振り返りシートの提出を求めることがあります。短い時間で考えを整理したり、日頃考えていることを書くことができるよう教育時事、問題等に関心を深めておきましょう。
【成績の評価】
・基準
成績評価基準C(合格に必要な最低限度) 下記のことについて合格の基準とします。 1)授業の到達目標で示した「教育経営の基礎」についての基本的概念や用語を正しく理解している。 2)授業の到達目標で示した「諸課題への対策と学校・学級経営」については、経営の側面から考察し、論述できる。 3)カリキュラム・マネジメントに基づく学級経営について理解し、小学校スタートカリキュラムを作成することができる。 4)学校の危機管理、地域との連携、保護者との関係づくり等、信頼される学校づくりに向け、学級担任の視点から具体的な取組を例示することができる。
・方法
以下の観点により、授業中の発表や協議、レポート、振り返りシート等を中心に総合的に評価する。 1)教育経営についての基礎的な知識・理解についてのテスト(20%) 2)教育の諸課題対策についての学校・学級経営からの考察レポート(30%)、 3)小1スタートカリキュラム表の作成(20%) 4)信頼信頼される学校と学級経営の取組の例示レポート(20%) 5)振り返りシート(10%)
【テキスト・参考書】
下記の文献から授業に必要な内容を抜粋し資料とする。 『小学校学習指導要領解説総則編 生活科編』(文部科学省,2017) 『いじめの防止等のための基本的な方針』(文部科学省,最終改訂2017.3.16) 『変わる学校、変わらない学校』妹尾昌俊(著)(学事出版,2015)
【その他】
・学生へのメッセージ
教育経営の在り方を理解することで,人が人を教え育てるという教育の営みの真髄に触れ,公教育のあり方、義務教育の保障等、制度や仕組み、学校のあり方を学ぶ時間となる。一人一人が教育に対する理念を深めていくことをねらいの一つとする。学生の皆さんは「教育経営学」を学ぶにふさわしい態度と心構えを持って授業に臨んでください。
・オフィス・アワー
授業の進め方に関すること、学校経営、学級経営に関する質問等は、担当教員の澁江まで問い合わせ下さい。 授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を、澁江研究室(地教2号4階437号室)において金曜日の午後に設けます。会議や出張等で不在にすることがあるため、確実に面談した場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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