地域社会の教育計画
 Educational Planning in Region
 担当教員:澁江 学美(SHIBUE Manabi),吉田 尚史(YOSHIDA Naofumi),金澤 彰裕(KANAZAWA Akihiro)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):担当教員等は管理職や教育行政職・研修等に長年携わり、山形県の教育振興計画等を作成してきました。現在も県内市町村の教育振興計画の作成や政策評価を行っており、具体的な事例を通して地域社会の教育計画の特色について指導しています。また、行政政策の立案に関わっている者や地域社会の中で教育活動をしている者の講義もあります。
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業は、地域社会(国、県、市町村)における教育計画の理念やその背景、具体的な取組を学び、地域の特性を踏まえた教育計画及び地域との連携やその期待に応える学校・教師のあり方等についての理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
地域社会(国、県、市町村)における教育計画の理念や目標達成のための施策等についての講義と演習を通して、下記3つのことができるようになる。

1)第7次山形県教育振興計画、各県の教育施策等を知りそこで重点的な取組や具体的な特徴を知り、教師として実践したい具体的な取組等を考え、学級経営案(仮)やレポートとしてまとめることができる。(習慣・態度)
2)市町村の特色ある教育計画の実施に携わっている講師の講義を基に、その特色を新聞で紹介することができる。(知識・理解)
3)国の教育基本計画や先駆的な事例、今日的な教育施策を知り、学び、次代の教育のあり方を考察しレポートに記述できる。(知識・理解)

【授業概要(キーワード)】
地域社会、国・県・市町村の教育計画、地域の教育計画と学校教育、地域・保護者と学校

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
(専門科目)
この授業は,地域の教育のために専門的知識を習得し、それらを活用しながら地域の教育課題の解決に取り組むことができる資質・能力を身につけるものである(地域教育文化学部ディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
本授業の国や地方(県・市町村)の教育計画と実践の理解については、具体的な事例を通した講義・演習や直接、計画や実践に関わっている外部講師の話を聞くなどして理解を深めるようにする。また、国や地方の教育計画を受け、教師としてどのような教育を大切にしていくか考え話し合い、レポート、パンフレット、新聞等にまとめていく。
・日程
第 1回 オリエンテーション(本授業のねらいと進め方を確認する。)
学習テーマ1:地方(山形県)の教育計画 
第 2回 地方(山形県)の教育計画の全体理解と考察
第 3回 方針Ⅰ~Ⅲ ①一人ひとりが自分らしく可能性にチャレンジできる学び
第 4回 方針Ⅱ   ②誰一人取り残されず誰もが続けられる学びの機会 
          ③社会の変化に対応した学びの環境を整える 
第 5回 地域をつくる人の育成①
第 6回 地域をつくる人の育成②
第 7回 いのちをつなぐ人の育成①
第 8回 いのちをつなぐ人の育成②
第 9回 いのちをつなぐ人の育成③
    →評価①目指す人間像を目標した学級経営案(仮)の作成
学習テーマ2:地域(市町村)における特色ある教育計画
第10回 地域における特色ある教育計画①(義務教育学校)
第11回 地域における特色ある教育計画②(中高一貫校)
第12回 地域における特色ある教育計画③(コミュニティ・スクール)
    →評価②地域における特色ある教育を紹介する新聞の作成
学習テーマ3:全国の特色ある教育計画
第13回 日本の教育計画と国の施策について 
第14回 全国の特色ある教育事例①
第15回 全国の特色有る教育事例②   
→評価③次代の教育のあり方を考察したレポートの作成
  まとめと総合省察

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
国や地方の教育計画について問いを持つと共に、基本的なことはノートにまとめてください。また、教師しての具体的な取組を考え、各自の考えをグループでまとめて発表できるようにしてください。
山形県の教育振興計画については、今年度から大きく変更となりウェルビーイング、多様性や持続可能という新たな視点が加わっています。他県の状況について知り、比較等も必要となります。母校、出身の県、市町村等の情報収集、特徴等について十分調べるなどの事前学修も大切にしてください。1時間程度の準備等を目安にしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)本授業で扱う国及び県の教育計画については、ホームページ上に詳細に計されています。事前に閲覧するなど予習を行ってください。
2)国や県、市町村の教育計画に対する学習のまとめをするにあたっては、参考文献、講義資料の他にも自分でもインターネットを活用して情報収集してください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
1)教育振興計画で目指す人間像、教員像を検討し達成するための具体的な取組を3つ程度考え、その効果等について説明できることを合格の基準とします。(習慣・態度)
2)市町村の特色ある教育については、特色ある取組の事例及びその教育的意義を紹介できることを合格の基準とします。(知識・理解)
3)国の教育基本計画については、基本的な事項や、そこから考えた次代の教育について説明することができることを合格の基準とします。(知識・理解)
・方法
国、県、市町村の特色ある教育について講義、ゲストティーチャーの講義等を通して、課題追求のまとめとして成果物を作成する。授業の到達目標に照らし、下記により評価する。
1)山形県の教育計画で掲げている重点的な取り組みや方針について具体的な取り組みや人間像を目標に掲げた学級経営案(30%)
2)市町村の特色ある教育を紹介する新聞(30%)
3)国の教育計画等から次代の教育実践のあり方を考察するレポート(30%)
4) 授業で提出する振り返りシート(10%)

【テキスト・参考書】
『第三期教育振興基本計画』(文部科学省,2018.6.15)
『山形県第7次山形県教育振興計画』(山形県教育委員会,2025)
その他、各授業の学習テーマ基づき担当教員が提供する資料 

【その他】
・学生へのメッセージ
1)国の教育振興計画、地方の教育計画等、インターネットで閲覧しておくこと。
2)各自の教育観がより幅広くなるよう、多方面から招く外部講師の話に傾聴するよう心掛けること。
・オフィス・アワー
授業に関する質問、国や県、市町村の教育課題等に関する質問等は、担当教員まで問い合わせ下さい。
授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を、担当教員の研究室において、毎週授業日の午後に設けます。会議や出張等で不在にすることがあるため、確実に面談した場合は事前に予約をお願いします。研究室の場所や連絡先は、初回の授業でお知らせします。

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