【授業の目的】
地球の自然環境と環境問題について地域及び地球規模な視点から捉え,環境問題解決のために必要な環境リテラシーやSDGsの基本的考え方を理解するとともに,環境教育の指導者として授業やプログラムを構想することができる資質能力を育成することを目的とする。地球の「自然の豊かさ」と「人間社会の豊かさ」を比較し、多角的視野かつ深く議論できる人材を目指す。
【授業の到達目標】
① 地球環境問題を地球システムの視点で考察し,SDGsについて理解することができる。 ② 惑星地球科学の研究データや実物標本を通して,太古から現在までの地球環境の変化を知り,有効な環境教育教材や指導ツールの活用方法を考案する。 ③ 地球環境への関心を高め,賢明な意思決定の重要性と問題解決の意識や態度を向上させることができる。
【授業概要(キーワード)】
環境教育,エネルギー環境教育,環境問題,SDGs,環境調査方法,実地体験活動,地球環境史,国立公園,ジオパーク ,地球システム
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本授業は地域貢献・地域課題解決のために、地球環境問題を地球システム的に学習・調査・討論し、小・中学校の各教科及び総合的な学習の時間等において実践する環境教育の具体的指導方法を修得する科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
地球史・環境問題と環境教育の基本的な理論を中心に講義と演習を行う。講義中では環境問題に関する議論を行う。調査課題を設け,環境調査の方法や実地体験活動,そして意思決定を中心とした環境教育の具体的な指導方策に関する演習とその成果発表を行う。
・日程
第1回 オリエンテーション,地球環境概説 第2回 地球環境議論1:水循環・物質循環 第3回 地球環境議論2:海洋環境 第4回 地球環境議論3:生物多様性;繁栄と絶滅 第5回 地球環境議論4:気候変動;地球温暖化と寒冷化 第6回 地球環境議論5:エネルギー環境問題 第7回 地球環境議論6:鉱床学,鉱物資源問題;陸上資源・深海底資源 第8回 地球環境議論7:自然災害 第9回 地球環境議論8:自然観察法の基本 第10回 地球環境議論9:人口問題 第11回 地球環境議論10:国立公園,ジオパーク,自然観察指導法 第12回 地球環境議論11:変成岩から読み解く地球環境の変化 第13回 地球環境議論12:身近な地球環境問題 第14回 プレゼンテーションと議論 第15回 持続可能な社会の創造に寄与する環境教育の在り方について
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
現在の環境問題と環境教育の実態について理解を深め,これからの環境教育実践のための討論に積極的に参加すること。また,地域の環境に関する様々な問題や取り組みについて常に関心を持っておくこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
普段から環境に関する様々な情報に注意して情報を集めるようにしておく。さらに,テキストや授業プリントに目を通したり,授業中の討論の結果について整理してまとめておく。予習・復習に必要な学修時間は、それぞれ1時間/週です。
【成績の評価】
・基準
評価の観点は以下の①~③の3点である。 ① 様々な観測データを整理し、データに基づいた考察を行い,地球史・地球システム的な視点で意見を述べる事ができたか。 ② 地域及び地球規模の地球環境問題やESD及びSDGsについて理解できたか。 ③ 環境学習を指導するために有効な教材や指導ツールとその活用方法を具体的に考え,説明することができたか。
・方法
評価基準を基に,授業中に課す小レポートや実地体験報告書及びグループワークの成果報告書等の各種レポート(80%),発表や活動の内容及び授業中の態度(意欲等)(20%)を総合(合計100%)して評価する。
【テキスト・参考書】
① 国立教育政策研究所教育課程研究センター(2016)『環境教育指導資料(中学校編)』PDF 国立教育政策研究所のWEBサイトから入手可。https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/20161214.pdf (2024年2月閲覧) ② 地球史・地球科学関連:授業中にプリント等を配布します。 [参 考 書]: ① 内田 悦生ほか (2019) 『地球・環境・資源: 地球と人類の共生をめざして 第二版』(地球環境・資源についての解説書です) ② 月村 勝宏 (2023). 『地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である (ブルーバックス)』(地球物質循環や地球史についてまとめられた新書です。) ③ 国立教育政策研究所教育課程研究センター(2016)『環境教育指導資料(中学校編)』
【その他】
・学生へのメッセージ
日常の身の回りの自然を観察して、動植物や地質などを写真に記録しておくと、将来の教員になった時に授業で役立つでしょう。地球環境の美しいと思う景色や現象を探してみてください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を竹林研究室(地域教育文化学部2号館)において,平日午後に16:00~17:00に設けます。なお授業,会議,学会出張・地質調査等で不在もありますので,事前にメールで連絡をお願いします。連絡先は初回の授業でお知らせします。
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