【授業の目的】
小学校社会科では、教師は、学習者が「社会的な見方・考え方」を働かせて「思考力、判断力、表現力等」を発揮する場を構成しなければならない。そのための社会科の授業構成の基本について学ぶ。
【授業の到達目標】
小学校社会科の授業場面における学びのしかけを分析できるようになる。 小学校社会科の学習指導案を作成し、1時間の模擬授業を実施できるようになる。 模擬授業の事後検討を通して,自己の課題を明確に説明できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
学び、ワークショップ型授業、社会科、コンピテンシー・ベイス
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
小学校教諭一種免許状における「各教科の指導法に関する科目」(必修)の一つである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
次の点をとりあげる。活動中心と発問・指示中心の2つの授業レパートリーにおける学びのしかけの分析、資質・能力ベイスの授業づくりの特質と課題、小3~6の模擬授業演習と事後検討。 以上を、ビデオを用いた授業の事例研究をまじえて進める。
・日程
1 資質能力ベイスの授業づくりとはどのようなものか?大学入試共通テスト「公共」試行問題の検討 2 「見方・考え方を働かせる」とはどういうことか?小3販売と小4「水道水・下水・ごみから環境を考える」を事例に 3 学習指導案の要件と学習評価の基本 4 活動中心の授業の実際 「明治維新の人物ランキング」(小6) 5 「明治維新の人物ランキング」にみる学びのしかけと育成する資質・能力 6 模擬授業演習の説明、グループ分け 7 グループ活動1(主たる学習課題の設定、目標の構成) 8 グループ活動2(学習指導案の作成および教材の準備) 9 模擬授業演習①(小学校中学年) 10 模擬授業演習②(5年) 11 模擬授業演習③(6年) 12 発問中心の授業の実際 「竹崎季長がんばる」(小6) 13 「竹崎季長がんばる」に見る歴史学と歴史教育の関連と学びのしかけ 14 カリキュラム・オーバーロードをどう考えるか 15 模擬授業演習の振り返り及び授業画面の分析の記述試験とその解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義では、事例について自分の意見を積極的にコメントすること。授業ビデオを見る際には、教室で参観しているつもりで、授業記録をとり、記録にもとづいて考察すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事例の紹介と検討をセットにして進める。事例について見直して講義にのぞむこと。 配布資料を確実にファイリングすること。扱った事例の特徴と課題を、自分なりにノートに整理すること。
【成績の評価】
・基準
授業毎のコメント(講義内容と事例について)、レポート2回、記述試験1回による。 社会科の授業場面を、子どもが「考えて表現する」場の構成という点から、分析し、その代替案を考えることができたか。
・方法
コメントが20%、レポート30%、記述試験50%。である。なお、加算課題図書を指定する。希望者向けのオプションの課題である。 コメントは単なる感想ではない。具体的な考察が評価される。レポートは、共通課題図書のレポートを1つ、学習指導案のレポート1つである。レポートは、考察の具体性を評価する。記述試験では、授業場面の分析を行う論述問題を課す。
【テキスト・参考書】
テキスト:文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』平成30年2月、日本文教出版。 共通課題図書:江間史明・黒上晴夫・奈須正裕『教育の方法と技術』(アクティベート教育学12)ミネルヴァ書房、2000円
加算課題図書: 江間史明・吉村敏之『教師として生きるということ』ぎょうせい、2章のいずれかの節を読んで作成。 奈須正裕・江間史明『教科の本質から迫るコンピテンシー・ベイスの授業づくり』図書文化、1章、2章、4章のいずれかの章を読んでレポートを作成。 奈須正裕 『「少ない時数で豊かに学ぶ」授業のづくり方 脱カリキュラム・オーバーロードへの処方箋』ぎょうせい、8章から12章のいずれかの章を読んで作成。
【その他】
・学生へのメッセージ
もし仮に教師の想定より子どものパフォーマンスがでなかった場合は、子どものせいではなく、教師の用意した学びのしかけに課題があると考えてください。
・オフィス・アワー
前期火曜、後期水曜の9:00-10:00。地域教育文化学部2号館3階、江間研究室。
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