保育内容(環境)
 Environmental Education for Early Childhood
 担当教員:鈴木 宏昭(SUZUKI Hiroaki),今村 哲史(IMAMURA Tetsunori),後藤 みな(GOTO Mina)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科、地域教育文化学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地域教育文化学部  科目区分:発展科目 
【授業の目的】
“身近な環境とのかかわりに関する領域「環境」”のねらいである“遊び”を通して育成する「環境にかかわる探究心」や「環境を構成するものの性質や働きについて実感する感性力」,すなわち自然現象を対象にした「発見」「探究」「活用」の在り方を修得させる。自然現象を「形」「数」「時間」「物性」「季節」の側面から捉え,これらの側面に規則性を発見する学修を通し,規則性の発見が「探究心」や「活用力」の育成,及び「なぜ」という「感性力」の育成の出発点であることを意識させる。これらの学修により「環境」の指導基盤である「自然科学の見方や考え方」を身に付ける。

【授業の到達目標】
幼稚園教育の一領域である“身近な環境とのかかわりに関する領域「環境」”について,その「ねらい」と「内容」について理解し,幼児に付けるべき“周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもってかかわり,それらを生活に取り入れていこうとする力”を育成する基礎的指導力を身につける。
この講義を履修した学生は、
1.幼稚園教育の一領域である「環境」の「ねらい」と「内容」について理解を述べることができる。【知識・理解】
2.幼児の環境に対する好奇心や探究心を向上させ、それらを生活に取り入れていこうとする力を育成することができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
遊び,身近な環境(形,数,時間,物性,季節),感性の育成

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
幼稚園教諭一種免許状取得のための科目(保育内容の指導法)
この授業は、教育の動向に基づき、幼児教育を支えるために必要な専門的知識や技能を習得するものである(地域教育文化学部児童教育コースのディプロマポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
配付資料を下に講義形式で実施するが,課題を提示し,その課題を学生と解決し,さらに発表させるという演習形式を,随時取り入れる。また、必要に応じて学外施設の見学、フィールドワークを実施する。
・日程
第1回: オリエンテーション、幼児の「環境」概念と領域「環境」について
第2回:幼稚園教育5領域における「環境」の位置づけと他領域・小学校との関係
第3回:幼稚園教育における「環境」のねらいと内容について
第4回:海外における「環境」領域の取り扱いについて(森の幼稚園を事例として)
第5回:幼児の好奇心・探究心等の保育的特性
第6回:幼稚園教育における人的環境(友だち・保育者)と物的環境(園具・遊具)
第7回:自然環境としての動植物
第8回:幼稚園教育における地域・行事とのかかわり
第9回:幼児教育における数量や図形・標識や文字の取り扱い
第10回:幼児園教育における領域「環境」の学習評価
第11回:領域「環境」の内容を中心とした指導計画の作成とグループ検討
第12回:領域「環境」の内容を中心とした保育指導案の作成
第13回: 保育指導案に基づく領域「環境」に関する教材開発(ICT教材の活用を含む)
第14回:模擬保育(グループ別)及び相互評価
第15回:授業の振り返り及び定期試験
令和7年度、本授業は、授業の一部を集中講義(施設見学など)で実施する。授業計画の詳細は、授業初回にて説明する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書事項を羅列したノート整理ではなく,自分で調べて,行間を埋めるようなノート造りを期待する。自らの問題意識に基づき、身近な環境の中に「規則性」を発見する楽しさを実感すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
「遊び」の開発につながる構想の概要を予め,纏めておくこと。
授業中に課した課題について受講生同士で協力して取り組むことを期待する。
本授業科目では、単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組むことを期待する。授業の予習・復習に必要な学修時間の目安は、1週間あたり90分である。具体的な内容には以下のとおりである。
1)各回の授業において,予習・復習レポートを、オンラインキャンパスシステムWebclassを通じて課す。課題に沿って,設定された必要文字数にまとめて提出できるよう,毎回,しっかり準備すること。また,授業で紹介された必要な文献を読んでおくこと。
2)授業の宿題として指定された課題は必ず提出するとともに,テキストや参考文献に目を通して,内容の適切な理解に努めておくこと。幼児教育の実践に関する資料(例えば、幼稚園教育要領など)を読んでおくこと。
3)その他、これまでの授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで自分なりに調べて,理解を深める努力が不可欠である。

【成績の評価】
・基準
・「環境」のねらいと内容を理解している。
・「自然科学の見方や考え方」を理解し,「遊び」に活用することができる。
・「規則性」の探索や「遊び」の開発へ取り組む姿勢に意欲がある。
・発表やレポートは,課題を十分に把握している。
・方法
定期試験および授業中の受講態度を含めて総合的に評価する。
定期試験(40%)、模擬保育の発表(30%)、レポート(30%)

【テキスト・参考書】
テキスト:幼稚園教育要領(平成29年告示 文部科学省)
参考書・参考資料:小田豊、湯川秀樹編著『保育内容 環境』平成21年3月 北大路書房。必要な資料やプリントを授業ごとに配布し、授業進度、受講学生の理解に合わせて、適宜、参考書を紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
授業では、現代幼児教育が抱える様々な問題点についても解説する。
自分自身が受けてきた保育場面を思い出しながら,それらの問題点の改善に真摯に取り組み,有効な方策を考えてみてほしい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を、原則、火曜日の昼休み(12:10~12:50)に鈴木宏昭研究室(地域教育文化学部2号館5階
533)にて対応する。その他、指定の時間帯に限らず在室している時は随時対応する。

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