知的障害児の病理
 Pathology of Children with Intellectual Disabilities
 担当教員:大村 一史(OMURA Kazufumi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:児童教育コース  科目区分:発展科目 
【授業の目的】
知的障害児(発達障害児を含む)の状態像、病因論に関わる諸問題を、認知神経科学の観点から最新の科学的知見を盛り込みつつ講義することによって、知的障害児の生物学的基盤を理解するための基礎的な知識習得とその応用力開発を目的とする。

【授業の到達目標】
(1)知的障害児の生理・病理に関する最近の理論や科学的知見を中心に概観することによって、知的障害児が示す心と身体の関連性を認知神経科学の観点から捉えることができる。【知識・理解】
(2)生物学的基盤としての障害病理を学習することによって、実証に基づく教育支援を展開できる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
知的障害、発達障害、認知神経科学、生物学的基盤、認知行動特性、障害特性

【科目の位置付け】
(1)特別支援教育に関する科目(心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する科目)
(2)児童教育コースの発展科目として、特別支援教育における障害児の生理・病理に関する科学的専門知識を習得するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1)パワーポイントによるプレゼンテーションを中心に講義形式で実施する。
2)授業計画(日程)のテーマに沿って、関連する最新のトピックにも触れながら、多様な視点で授業を展開する。
3)授業支援システムWebclassから事前に資料をダウンロード配布する。
・日程
第1回 知的障害理解のための科学的知識
第2回 脳神経系のしくみと働き
第3回 脳神経系が実現する高次脳機能
第4回 生涯発達する脳
第5回 情報処理システムとしての脳
第6回 脳と身体の関連
第7回 知的障害の診断と原因
第8回 知的障害の心理機能と脳機能:言語
第9回 知的障害の心理機能と脳機能:注意
第10回 知的障害の心理機能と脳機能:記憶
第11回 知的障害の適応行動と実行機能:認知と情動の相互作用
第12回 発達障害の神経基盤から知的障害の障害特性を理解する視点:LD
第13回 発達障害の神経基盤から知的障害の障害特性を理解する視点:ADHD
第14回 発達障害の神経基盤から知的障害の障害特性を理解する視点:ASD
第15回 定期試験および解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)関連科目に目を通しておく。
2)授業のポイントを押さえながら聴講する。
3)授業内容のポイントを中心にノートを整理してまとめる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)予習のあり方:事前配布の資料をよく読んでおくこと。
2)復習のあり方:授業で使用した資料をよく読み返し理解しておくこと。
3)その他:授業内容に関連する事項などを図書館やインターネットで調べてみること。

【成績の評価】
・基準
1)障害児病理の基礎知識を理解し、正しく説明できること。
2)知的障害児の示す行動特徴を理解し、その背景にある考え方を正しく説明できること。
3)授業を通して学得した知識を論理的に考察し、論述できること。
4)授業でおこなう活動に積極的・能動的に参画できていること。
・方法
1)レポート課題(20点)+ 定期試験(80点)として、総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
1)テキスト:授業支援システムWebclassによりダウンロード配布
2)参考書:
・発達障害児の医療・療育・教育(松本昭子・土橋圭子(編著)、2014 金芳社)
・バイオサイコロジー 脳-心と行動の神経科学(ピネル、2005 西村書店)
・脳単(河合良訓(監修)、2005 株式会社NTS)
 その他、講義中に適宜推薦図書を指示

【その他】
・学生へのメッセージ
1)知的障害児に関連することについて、常に問題意識を持って、多様な視点から考えることが大切です。
2)学習した知識を教育指導・支援の中でどのように生かすことができるのかを考えながら受講しましょう。
・オフィス・アワー
1)金曜日12:10〜13:00に大村研究室(地域教育文化学部3号館5階)にて応じます。
2)その他講義で日時調整に柔軟に対応します。

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