【授業の目的】
普遍的な人間性について理解して確固たる倫理観に基づいた独創性を獲得するために、東洋言語文化の精華である漢文学諸分野の基礎的な知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
○漢文学の諸分野に関し、その特徴を理解している。 ○文芸と歴史、文芸と思想及び文芸と政治の相互関係を説明できるようになる。 ○フィクションという技法を理解し、その文学的意義を説明できるようになる。 ○漢文に描かれている人間の姿を通して普遍的な人間性に関して説明ができるようになる。
【授業概要(キーワード)】
散文概説、韻文概説、史書概説、諸子百家概説、日本漢詩・漢文概説
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
国語科全般、特に漢文学分野の作品理解に必要な基礎的知識を身につける専門基礎科目。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
授業内容に応じた本文テキスト・関係資料を配付し、授業中、これらに検討を加えた上で読解を行い、漢文学各領域の特質に関する理解を深めて教材理解の基礎的な能力を身につけて行く。
・日程
第1回 ガイダンス 文芸と文学 第2回 韻文と散文 第3回 韻文の種類 第4回 唐詩概説 第5回 散文に含まれる諸分野 第6回 春秋・戦国思想概説と文芸 第7回 思想と文芸 第8回 史書と文芸 第9回 『史記』と『資治通鑑』と『日本書紀』 第10回 伝奇と志怪 第11回 小説の発達 第12回 韻文と小説 第13回 故事成語の典故 第14回 漢詩文と日本文学 第15回 日本漢詩と日本漢文
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
①講義で習得した知識や視点をノート等に記録し、情報を整理する。 ②講義内容を踏まえてレポート課題で取り上げるべき内容を考察・決定する。 ③これまで自分が触れてきた文芸作品と講義内容を照らし合わせ、既読作品理解の視野を広げる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
以下の3点を厳守して、主体的な学修を重ねること。 ①図書館及び第2資料検索室(基盤教育1号館・地域教育文化学部2号館の5階)において文献を用いて課題について調査する。 ②提出レポートについては、引用文献の出典をページ数まで明記する。 ③提出レポートにおいてネットを含め、先行研究などからのコピーアンドペーストは認めない。 予習・復習に必要な学修時間はそれぞれ1時間/週です。
【成績の評価】
・基準
「S」 = 到達目標を十分に満たし、かつ説得力ある文学観を獲得している。 「A」 = 到達目標を十分に満たしている。 「B」 = 到達目標には及ばないが、漢文学について理解している。 「C」 = 漢文学に関する最低限の知識を身につけている。
・方法
レポート2種(50点×2)の合計点を以て評定とする。 課題1:「文芸におけるフィクションという技法の役割」(1月12日提出) 課題2:「日本の物語に漢文学が与えた影響」(2月8日提出)
【テキスト・参考書】
テキスト:授業ごとに取り上げる領域の作品本文テキストとこれに関係する検討資料を授業者が印刷し、配付する。
【その他】
・学生へのメッセージ
国語嫌い、文学嫌いな学習者を育てない指導者になるために、教員を志す学生には「文学」という概念の正確な理解を求めます。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問に答えるオフィスアワーを三上研究室(基盤教育1号館・地域教育文化学部2号館の5階東奥541号室)で月曜日と木曜日の12:00~13:00に設けるが、授業・出張・会議以外の時間であれば、随時研究室で対応する。
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