【授業の目的】
テーマは、「日本の文化を身近な歴史から学ぶ」である。一般的に文化を高価な絵画や彫刻と理解することが多いが、それは文化財を理解したにすぎない。本講義を通じて、人間が営みの中から生んだものすべてを文化と考え、身近なもの(日常生活)にも文化があるという点を理解できる。
【授業の到達目標】
・日本列島上に展開した歴史を、世界の歴史と関連づけながら総合的に考察し、日本の伝統と文化の特色について広い視野に立って理解することができる。 ・本講義により、日本の文化への理解を深め、多様な文化の存在が理解でき、文化を研究する意義や楽しさをも習得できるようになる。 ・身近な文化財をはじめ、日本の伝統文化を大切にする気持ちを養うことができる。 ・中学校社会科および高等学校地理歴史科担当教員として必要な専門的知識を理解できる。
【授業概要(キーワード)】
日本文化、神仏、絵画、思想、日常生活、自然、トイレ、信仰、天皇
【科目の位置付け】
専門教育科目のなかの発展科目に属している。特にみすからの特性や適正、興味に応じて選択できる科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
・本講義は、身近な文化史を理解してもらうため、基礎編・地域編を始めほかを古代編から近代編に分けて実施する。 ・日本文化の基層にある宗教を主軸に文化の歴史を説明する。 ・多様な文化の理解を深めるために、古文書・日記などの文献史料のみならず、絵画・仏像・民俗などの多様な史料を取り上げる。 ・各編のテーマから、神仏、信仰、自然、生と死、動物、女性、寺院、婚姻など多様な文化の広まりを理解できる。 ・身近な地域の歴史にも関心をもってもらうため、地域の事例も解説する。 ・講義形式ではあるが、毎時間資料を配付して、それを読解して共感を得ながら理解を深めていく。 ・なお、講義実施における環境、受講人数、興味関心、進捗などの各状況により多少の変更もありえます。
・日程
第1回 授業の概要説明、授業の進め方 第2回 基礎編 文化史を知る論文を読む(1)文化史とは 第3回 基礎編 文化史を知る論文を読む(2)時代区分 第4回 古代から中世へ編 日本の神とは 第5回 中世編 神社と祭 第6回 中世編 日本の神仏 第7回 中世編 鎌倉時代の仏教 第8回 中世から近世へ編 ヨーロッパとの出会い 第9回 近世編 地震と自然 第10回 近世編 地震と生活 第11回 近世編 地震と信仰 第12回 近世から近代へ編 天皇を巡る文化史 第13回 地域編 山形の文化史 第14回 地域編 大阪の文化史 第15回 本講義のまとめと定期試験あるいはレポート提出
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで、自分なりに調べて、また概説書などを読み、知識や理解度の深みをつけること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
自分でも概説書などを読み、知識や理解度の深みをつけること。特に文化史は絵画・仏像などを扱う講義であるので、みずから博物館や美術館にも足を運んで見聞を広めること。
【成績の評価】
・基準
日本の文化の歴史について、講義内容を理解しているか否かで判断する。例えば、時代別の文化の差や、その時代に誕生した理由、だれがその文化の担い手かなどである。
・方法
以下の評価の観点に則り総合的に評価する。 ・定期試験あるいはレポートの結果(80%) ・授業中の質問や課題に対応できている(20%)。
【テキスト・参考書】
参考書:家永三郎『日本文化史』(岩波新書)、大隅和雄『日本文化史講義』(吉川弘文館)、網野善彦『日本とは何か 日本の歴史〈00〉』(講談社学術文庫)、飯倉晴武『日本人のしきたり』(青春新書)、村井康彦『日本の文化』(岩波ジュニア新書)、笹本正治『災害文化史の研究』(高志書院)、高木博志『近代天皇制の文化史的研究』(校倉書房)、羽賀祥二『史蹟論』(名古屋大学出版会)など。その他の参考書は講義中に適宜指摘する。
【その他】
・学生へのメッセージ
・文化は多様で、時代ごとに新たに生み出される。絵画や仏像だけではない。この多様性もぜひ理解してもらいたい。 ・連絡は、Webclassを通じて行うので、頻繁に確認をすること。
・オフィス・アワー
オフィスアワーについての詳細は、講義時に説明する。相談場所は基本的に大喜研究室で行う。
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