日本史史料論
 Japanese Historical Documents theory
 担当教員:大喜 直彦(DAIKI Naohiko)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
テーマは、「様々な日本史史料の基礎知識を習得し、実証的な歴史研究の方法論を学ぶ」ことである。日本史史料の多様性を理解すること、および多様な利用法の知識を得ることを目的とする。





【授業の到達目標】
・古文書を始め、絵画史料や編纂物など、日本史史料の多様性と基礎的知識及び読解能力を身につけることができる。
・取り上げる各史料について、同時代の他の史料との比較検討をしながら史料を読解するため、史料批判の方法論を身につけることができる。
・各史料の特徴を学びながら、自らの力で各史料のもつ歴史的背景などを考察することができる。
・中学校社会科および高等学校地理歴史科担当教員として、必要な専門的知識を習得できる。




【授業概要(キーワード)】
古文書、日記、記録、絵画史料、民俗資料

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
専門教育科目のなかの発展科目に属している。特にみずからの特性や適正、興味に応じて選択できる科目である。日本史像を構築する上でもっとも基本である史料を総合的に学ぶことができる。

【授業計画】
・授業の方法
・古文書や日記及び記録の文献史料、絵画史料などについて講義し、受講生にも適宜史料解読(文意など)をしてもらう。
・日本史研究の拠り所となる素材が史料である。史料のうち、古文書の次に信憑性の高い史料として位置づけられているのが、二次史料である。その代表である記録や絵画史料も取り上げる。
・絵画史料として、中世に成立した複数の絵巻物や肖像画を使って、その特徴や日本史研究での利用の方法を学ぶ。
・実物の史料の見学のため、博物館訪問を実施する。日程は適宜決定する。
・毎講義終了時、小ペーパーに当該講義の意見を記述し提出する


・日程
第1回: 授業の概要説明、授業の進め方
第2回: 史料論
第3回: 文献史料を読む(1)中世の古文書
第4回: 文献史料を読む(2)中世の日記・記録
第5回: 文献史料を読む(3)近世の古文書
第6回: 文献史料を読む(4)近世の日記・記録
第7回: 文献史料を読む(5)寺社縁起
第8回: 絵画史料を考える(1)寺社の絵巻から
第9回: 絵画史料を考える(2)信仰を絵巻から
第10回:絵画史料を考える(3)武力を絵巻から
第11回:絵画史料を考える(4)肖像画 源頼朝
第12回:絵画史料を考える(5)肖像画 足利尊氏
第13回:民俗資料を学ぶ
第14回:実物の史料を見学(博物館などへの見学)
第15回:本講義のまとめと定期試験第または課題レポート提出





【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
毎回講義に出席して、史料の各役割など授業内容を理解すること。講義であるが、史料を読ませる場合もある。その時は積極的に解読すること。

・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各種の史料は、現物や原本を見ることなどが大変重要である。したがって博物館・史料館・美術館などへ出向き、多くの展示物に接すること。

【成績の評価】
・基準
評価は、主に古文書、日記・記録など各史料の意味や機能が理解できていること基準とする。
・方法
定期試験または課題レポート80%、提出した意見など20%として、その総合点で行う。


【テキスト・参考書】
参考書:佐藤進一『新版 古文書学入門』(法政大学出版局)、日本歴史学会編『概説 古文書学』古代・中世編・同近世編(吉川弘文館)、高橋秀樹『古記録入門』(東京堂出版)、苅米一志『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』(吉川弘文館)、黒田日出男『絵画史料で歴史を読む』(筑摩書房)。その他の参考書は、授業中に適宜指示する。


【その他】
・学生へのメッセージ
・講義であるが、受け身とならず、積極的に参加し、史料論に関する論文などを読んでほしい。
・連絡は、Webclassを通じて行うので、頻繁に確認をすること。
・オフィス・アワー
オフィスアワーについての詳細は、講義時に説明する。相談場所は基本的に大喜研究室で行う。

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