地形災害論
 Practical geomorphology on slope disaster
 担当教員:八木 浩司(YAGI Hiroshi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):国土交通省国土地理院・都市圏活断層検討委員,国土交通省東北地方整備局東北の砂防を考えるアドバイザー会議・委員,日本地すべり学会・元会長,JICA短期派遣専門家・ネパール(地すべり対策・管理担当)の経験を有する。講義では,これらの経験を生かして,活断層や地形に起因する地すべりや崩壊等による災害の認定方法について講義,実践指導を行う。
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
活断層,地すべり・崩壊等の地形災害に関する論文講読を行った上で,そこで扱われた地形災害を実際に空中写真と地形図を用いて自ら認定する.そして地表変動や災害の本質を理解する.

【授業の到達目標】
活断層の活動や地すべり・崩壊に関する調査法を習得し,過去の事例を用いてそれらの空中写真判読や地形図判読によって出現位置認定や活動様式の解析ができるスキルを獲得する.

【授業概要(キーワード)】
活断層,地すべり・崩壊,山地災害,空中写真判読,論文講読

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
災害認知に関する高度なスキルと専門性を獲得するための科目である.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
土曜日に3コマの集中講義で実施する。開講日は学生と相談のうえ,決定する。
毎回災害事例を受講者によるプレゼンテーションをゼミ形式で行う.
さらに参加者全員で,被災地域の空中写真・地形図判読を実習形式で行う.
・日程
毎回地表災害に関する学術論文をゼミ形式で発表するとともに空中写真判読で確認する.
可能なら周辺地域で発生した災害地域に赴いて,その現象と本質の把握を実践的に学ぶ.
1回目:空中写真による地すべり地形判読1
2回目:空中写真による地すべり地形判読2
3回目:重力性山体変形の空中写真判読1
4回目:重力性山体変形の空中写真判読
5回目:仙台市西方定義付近の地すべり地形
6回目:秋田県・羽後川井付近の地すべり
7回目:小谷温泉地すべり
8回目:白鷹山崩壊
9回目:琵琶湖西岸地震と町居崩れ
10回目:松之山地すべり
11回目:姫川流域・真那板山崩壊
12回目:帰雲山崩壊
13回目:犀川丘陵・岩倉山地すべり
14回目:島原・眉山崩壊
15回目:高知県・加奈木崩れ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
直近に発生した災害に関する論文や自分の関心の高い論文を選び,そこで扱われた災害地域の空中写真・地形図判読によって活断層や地すべりを認定するとともに,受講者を前にしてプレゼンテーション形式で発表する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
担当した災害事例について文献やweb上で公開された論文情報を収集し,担当論文の理解とともにプレゼンテーション技術を磨く.

【成績の評価】
・基準
授業中の課題において地すべり地形や活断層を認定できると判断され,さらにプレゼンテーションで明解な発表ができたものを合格とする.
・方法
課題提出(80%)とプレゼンテーション(20%)の総合点60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
資料は随時配付するか,WebClassからダウンロードして印刷して持参すること.
参考書:井上公夫,"建設技術者のための土砂災害の地形判読実例問題 中・上級編",古今書院

【その他】
・学生へのメッセージ
発表に対して,理解の盲点をつかれた質問をされてもくじけないこと.
・オフィス・アワー
集中講義形式で実施するため,ウェブクラスで質問を受け付けます.

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