【授業の目的】
・新学習指導要領(平成29年3月公示)の「育成すべき資質・能力」の観点から、「社会科固有の知識や技能(スキル)」「社会科における思考力や判断力、表現力等」「社会科における、学びに向かう力や人間性等」の特質について理解し、「主体的・対話的で深い学びの実現」をはかる単元と授業構成の基本的スキルを身に付けることを目的とします。
【授業の到達目標】
・「育成すべき資質・能力」(コンピテンシー)の点から、中学校社会科と高校地理歴史科のカリキュラムの特質と課題を理解できるようになる。 ・「主体的・対話的で深い学び」を位置づけた社会科又は地理歴史科の単元計画と1時間の授業を構成できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
育成すべき資質・能力、社会科、単元構成、授業づくり
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
中学校社会及び高校地理歴史科の免許取得に関わる「教科及び教科の指導法に関する科目」である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
・社会科における「育成すべき資質・能力」について、三つの柱にそって講述します。 ・「社会的な見方・考え方」「アブダクションと授業づくり」「探究型学習」「考える日本史」「社会科のICT活用」に関する具体的な単元と教材を、資質・能力の点から分析・検討します。 ・社会科の授業計画及び学習指導案を作成できるように、その要件と評価、作成方法について講述します。 ・模擬授業演習を、歴史、地理、公民の主題にそくしたグループを編成して実施します。 ・各自で社会科授業づくりについての課題を省察し、まとめるようにします。
・日程
第1回:公民としての資質、社会認識教育の体系とその歴史的展開 第2回:コンピテンシー・ベイスからみた社会科教育の特質と課題 第3回:中学校・高等学校の社会的な見方・考え方の検討ーベロモンテダム建設問題と議場のつくりの比較を事例にー 第4回:アブダクションと授業づくりー山形県東根市の人口増加及び縄文土偶の教材開発を例に- 第5回:学習指導案の基本的要件と学習評価の基本的な考え方 第6回:高校地理歴史 考える日本史の授業の実際 第7回:高校地理歴史 考える日本史における歴史学と歴史教育ー絵画史料の教材化を中心に- 第8回:模擬授業演習のグループ編成と主題の設定 第9回:模擬授業演習の準備のグループ活動 第10回:模擬授業演習1 歴史の単元 第11回:模擬授業演習2 地理の単元 第12回:探究型学習の実際と課題 ー昭和戦前期の社会を扱う歴史学習を例に- 第13回:大学入試センター共通テストの問題分析(社会系教科を中心に) 第14回:社会科・地理歴史科における情報機器の活用の実際と課題 第15回:最終ふり返りレポートの検討と社会科授業づくりの課題
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
中学及び高校時代の社会科や地理歴史科で学んだ教科書を持っていたら持ってきて下さい。授業の後半は、グループ活動の比重が大きくなります。積極的に準備とその検討の議論に参加することが望まれます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義での発表資料や事例の教材資料をファイリングして、各回の授業のテーマについての自分の見解をコメントとして自分のノートにまとめていくことを勧めます。コメントは、課題に応じて、提出を求める場合があります。
【成績の評価】
・基準
・コンピテンシー・ベイスからみた社会科の課題を理解し、1時間の学習指導案を作成できる(到達目標のC基準)
・方法
①コンピテンシー・ベイスの社会科カリキュラムデザインに関するレポート(20%) ②学習指導案作成レポートと模擬授業(30%) ③大学入学共通テスト分析レポートとレポート検討後の振り返り(15%) ④授業内容をふまえた最終ふり返り総括・発展レポートとレポート検討後の振り返り(25%) ⑤授業内容へのコメント(10%)
③と④のレポートは、授業で検討し、その振り返りを提出することが求められる。
【テキスト・参考書】
文部科学省 『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』東洋館出版、同『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 地理歴史)』東洋館出版。 奈須正裕・江間史明編『教科の本質から迫るコンピテンシー・ベイスの授業づくり』図書文化社
【その他】
・学生へのメッセージ
大学入試で新しく始める共通テストの試行問題をホームページで調べてみてください。用語の暗記や消去法で対応する社会科学習ではもはや対応できません。新しい時代の社会科の授業づくりを考えてください。
・オフィス・アワー
後期は水曜の9:00-10:00がオフィスアワーです。江間研究室は、地域教育文化学部2号館の3階にあります。
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