【授業の目的】
岩石・鉱物・宝石・隕石・化石の成因について学び、宇宙・地球科学の教育への応用について議論する。多様な標本を実際に観察し、論文を読解することで、46億年にわたる地球史とプレートテクトニクスへの理解を深める。
【授業の到達目標】
固体地球を構成する鉱物や岩石についての基礎的知識を説明できる【知識・理解】 また,隕石や他天体を構成する物質についても理解し説明できる【知識・理解】 岩石・鉱物地学教材を活用できる【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
鉱物学,岩石学,分類,地学教材 ,プレートテクトニクス,地球環境史,ジオパーク
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
中学校・高等学校教諭一種免許状取得のための科目(教科に関する科目)で,地学科目から教材を作成し,活用するための基礎を身につけるものである.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
地学分野全般についての講義を実施し,基礎知識の習得を行う。岩石学での顕微鏡観察技法を学び、より技術的・工学的な思考力を養う。また数理的な情報で説明できる力を身に着けるため、地学におけるグラフ解読手法についても学習する。課題として地球科学系の論文や本を読んでもらい、考察したことを発表する機会を設ける。
・日程
第1回 鉱物の基本(鉱物の定義、地球システム、宝石) 第2回 鉱物の物理的特性(形,色,劈開,光沢,透明度、蛍光) 第3回 鉱物の化学的特性(化学組成と結晶構造)と成因論 第4回 包有鉱物・流体包有物 第5回 主要造岩鉱物(無色鉱物と有色鉱物) 第6回 水循環、鉱物と水(含水鉱物と非含水鉱物) 第7回 鉱物資源の基礎(鉱床学、海洋地質探査) 第8回 国際深海科学掘削計画(IODP);「ちきゅう」や「しんかい6500」の業績 第9回 火成作用 第10回 変成作用Ⅰ(広域変成作用、接触変成作用、変形作用) 第11回 変成作用Ⅱ(超高圧変成作用、後退変成作用) 第12回 堆積作用(大地の変化、タービダイト);IODP Exp. 386 東日本大震災古履歴解析 第13回 地球外物質、小惑星、隕石、衝撃変成作用 第14回 プレートテクトニクスとプルームテクトニクス 第15回 課題発表(プレゼンテーション)および鉱物学研究の最前線
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
岩石や鉱物などを通じて地球科学の基礎を理解し、地球システム的な視点で論理的に説明できることを合格の基準とします。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習・復習に必要な学修時間は、それぞれ1時間/週です。毎回学習内容の復習をしてください.博物館・科学館、ミネラルマーケットなどに訪問して実物を観察することをお勧めします。
【成績の評価】
・基準
岩石や鉱物などを通じて地球科学の基礎を理解し、地球システム的な視点で論理的に説明できることを合格の基準とします。
・方法
主として課題発表の結果(50%)に基づくが、授業の際に与える課題の提出状況(50%)など考慮して総合的に評価します。データや引用文献に基づいた論理的な説明に基づいているかを重視します。
【テキスト・参考書】
参考書: ① 周藤 賢治, 小山内 康人 (2002). 岩石学概論 上 記載岩石学(CD-ROM付): 岩石学のための情報収集マニュアル, 共立出版 *火成岩・変成岩・堆積岩の組織や特徴を知ることが出来る。 ② 周藤 賢治, 小山内 康人 (2002). 岩石学概論 下 記載岩石学(CD-ROM付): 岩石学のための情報収集マニュアル, 共立出版 *岩石学概論 上に比べて更に応用的な内容(研究者向け)。 ③ 月村 勝宏 (2023). 地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である (ブルーバックス), 講談社 *惑星地球の46億年の歴史とプレートテクトニクスを学ぶ為に細かく書かれた解説書。
【その他】
・学生へのメッセージ
身の回りに存在する様々な石の形成史を理解することによって、自然環境を観察する視野が広がる授業です。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を竹林研究室(地域教育文化学部2号館)において、平日午後に16:00~17:00に設けます。なお授業、会議、学会出張・地質調査等で不在もありますので、事前にメールで連絡をお願いします。連絡先は初回の授業でお知らせします。
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