地学野外実習A
 Earth Science Fieldwork A
 担当教員:竹林 知大(TAKEBAYASHI Tomohiro),大友 幸子(OHTOMO Yukiko)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:実習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
野外観察を行って日本列島の地質を主体的に学ぶ.実地体験を通じて,現在の地形の成り立ち,大地を構成する地質体と大地の歴史について幅広い知識を身につける学習への基盤となる力を養うことを目的とする.

【授業の到達目標】
① 地形・地質・岩石・鉱物の観察を通して,野外観察の技術を身につくようになる.地質体を構成する岩石や地層を観察して,説明できるようになる.
② 観察した内容を論理的にまとめて,他者に分かり易く伝えるようになる.
③ 野外指導の際に様々な危険を回避して,行動できるようになる.

【授業概要(キーワード)】
地形,地質,岩石,地層,堆積岩,火成岩,変成岩,白亜系,地球史, フィールドワーク

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
① 本授業は日帰り又は宿泊の地球科学野外調査(巡検)を行う.
② 事前学習会を行い,見学地の概要を理解する.
③ 本授業は履修人数や履修者の希望を考慮して巡検地や内容を変更することがある.候補地:山形県内(火山岩系・ジオパーク);県外:福島県(ペグマタイト鉱床),新潟県(翡翠岩観察),東京都(軽石・玄武岩火山島),東海・四国地方(プレート沈み込み変成帯・三波川変成岩)を挙げる.宇宙・惑星地球科学の最前線を学びたい学生には,日本最大の惑星地球科学の国際学会である日本惑星科学連合大会JpGU(千葉県幕張)を見学し,学んだ内容をレポートにしてまとめてもらう.
④ 野外調査では自然を相手にする為に,帽子またはヘルメット等の着用し,安全第一で行動することを心掛ける事.また同様に安全上の観点より,気候条件によって巡検の内容が急遽行先変更になる場合がある.
・日程
第1回 オリエンテーション
第2回 事前学習(日本の地質、世界の地質)
第3回 事前学習(岩石・鉱物基礎観察)
第4回 野外調査計画(衛星画像・地質図)
第5回 自然観察指導法基礎(サンプリング・安全指導)
第6回 野外巡検(ルートマップ作成方法・GPS使用法)
第7回 野外巡検(変成岩や火成岩の観察)
第8回 科学館または博物館見学
第9回 学会見学(惑星科学連合大会JpGU)
第10回 サンプリングした岩石の薄片作製
第11回 偏光顕微鏡観察実験
第12回 プレゼンテーション技法・レポート執筆法
第13回 共同機器分析センター:電子顕微鏡観察実験
第14回 調査課題発表・討論
第15回 まとめ(地学研究とSTEAM教育)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
山,森,河原に行くため実験や巡検に適した服装・靴等で参加する事(服装のイメージ:登山・軽登山・ハイキング).
野外調査では地図の判読し野外観察をフィールドノートにその場で記録すること.
室内実験も観察の実験ノートに記載する事.
岩石鉱物の切断・薄片づくりをする場合,砂埃で汚れますので,マスクと汚れても良い服でくること.
学習した内容は最終的にパワーポイントで発表する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習・復習に必要な学修時間は、それぞれ1時間/週です。野外巡検先は授業で決定してから、調べ方のアドバイスをします。日常生活でぜひ自然環境に対して興味関心を持って過ごすと良いでしょう。ミネラルショーや博物館等で美しい宝石・鉱物や地球の歴史を知る事のできる岩石や化石などの実物標本の観察しておくと理解が深まるでしょう。

【成績の評価】
・基準
巡検のまとめの会での発表内容および,レポートにおいて自らの観察に基づいた地形や地質の記載ができていることを評価する.
・方法
実習参加およびプレゼンテーション・レポート(100%)とします。先行研究を調べてまとめる事だけではなく、学習者が実習で学んだこと・考えた事をレポートに反映できているかについて評価します。また論理的な説明ができているかの判断をレポートのみならず、プレゼンテーションの内容・姿勢を見て、総合的に評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:見学希望地決定後,観察地の資料を配付する.
参考書:
① 青木 正博, 目代 邦康, (2017). 『増補改訂版 地層の見方がわかるフィールド図鑑: 岩石・地層・地形から地球の成り立ちや活動を知る』, 誠文堂新光社. *地層観察の基本が書かれた本.
② 円城寺守 (2018). 『大人のフィールド図鑑 自分で探せる 美しい石 図鑑&採集ガイド』, 実業之日本社. *鉱床学の博士が実際に採取した世界中の岩石鉱物から,地球の成り立ちについて分かり易く丁寧に説明された図鑑.
③ 産業総合研究所チームG. (2014). 『薄片でよくわかる 岩石図鑑: 含まれる鉱物や組織で種類を知る』,誠文堂新光社. *国内外の岩石薄片が記載されている.

【その他】
・学生へのメッセージ
大自然や研究の世界を体験し,新しい知見を広げるとともに,自然科学を楽しく学びましょう.
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を竹林研究室(地域教育文化学部2号館)において,平日午後に16:00~17:00に設けます.なお授業,会議,学会出張・地質調査等で不在もありますので,事前にメールで連絡をお願いします.連絡先は資料配布時にお知らせします.

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