【授業の目的】
本授業科目では、理科の物理学分野の具体的な単元の内容に基づく教材を開発することを通して、理科の実践的指導力の基礎を確かにすることをねらいとする。理科の今日的な課題としては、例えば、科学的な思考力や表現力の向上がある。こうした課題から主題を定め、単元の内容に基づく教材を具体的に提案・開発する。専門科学からみた物理学の今日的課題では、物理学に関する教育内容を集中的に学習し、科学的な思考力や表現力などの主題を設定して、単元の内容構成又は教材を開発できるようになる。
【授業の到達目標】
本授業は、理科(物理学)の内容と授業構成を、架橋する授業科目である。
この演習を履修した学生は、
１．理科の今日的課題(例えば、科学的な思考力や表現力の向上など)を理解することができる。【知識・理解】
２．今日的課題の解決のための主題を定め、単元の内容に基づく教材を開発することができる。【技能】
３．開発した教材を活用して、理科授業(物理学分野)を実施することができる。【態度・習慣】
【授業概要（キーワード）】
教材分析、教材開発、中学・高校理科、物理学
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：1～25％
D-1．演習、実習、実験等を行う機会がある。：1～25％
B-2．事前学習（下調べ、調査等含む）をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。：1～25％
C-2．事前学習（下調べ、調査等含む）をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。：1～25％
D-2．事前学習（下調べ、調査等含む）で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。：1～25％
B-3．習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。：1～25％
C-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。：1～25％
D-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。：1～25％
【科目の位置付け】
中学校教諭・高等学校教諭一種免許状取得のための選択必修科目(教職に関する科目)。
この授業は、専門知識をもとに教育、科学普及の場において社会に貢献できる能力を習得するものである(理学部のディプロマポリシー)。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
演習：本授業科目では、生徒の学力学習状況調査や先行実践を踏まえて、物理学に関する教育内容を集中的に学習し、科学的な思考力や表現力などの主題を設定して、単元の内容構成又は教材を開発する。
・日程
第1回：ガイダンス
第2回：物理学から見た理科の今日的課題(教材開発や実験指導を中心に)
第3回：ICT機器やプログラミング教材を利用した物理学分野の課題設定
第4回：ICT機器やプログラミング教材を利用した物理学分野の教材開発構想
第5回：ICT機器やプログラミング教材を利用した物理学分野の教材開発の内容検討
第6回：ICT機器やプログラミング教材を利用した物理学分野の開発教材発表
第7回：物理学分野の課題設定
第8回：物理学分野の教材開発構想
第9回：物理学分野の教材開発の内容検討
第10回：物理学分野の開発教材を用いた実験結果の発表
第11回：物理学分野の教材改良点の検討
第12回：物理学分野の学習指導案の作成
第13回：物理学分野の学習指導案の発表
第14回：物理学分野の(改良した)開発教材の発表
第15回：振り返り(到達点と課題について各自が明確化する)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自らの問題意識に基づき、理科の授業づくりを意識しながら授業内容の理解に努めることを期待する。中学校・高等学校の理科授業について、より実践的な方法を提案するようにする。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
これまでの教育実習の経験をもとに指導案の作成や使用する教材の準備等、模擬授業の用意をしておく。本授業科目では、単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組むことを期待する。授業の予習・復習に必要な学修時間の目安は、1週間あたり90分である。具体的な内容には以下のとおりである。
1) 授業の宿題として指定された課題は必ず提出するとともに、テキストや参考文献に目を通して、内容の適切な理解に努めること。理科授業の構成に関する資料(例えば、学習指導要領や理科教科書)を読んでおくこと。
2) その他、これまでの授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで自分なりに調べて，理解を深める努力が不可欠である。
【成績の評価】
・基準
理科(物理学分野)の単元の内容に基づく教材の提案・開発の経験をもとに、単元レベルでの授業づくりのポイントと課題を具体例をあげて説明することができる。
・方法
授業での発表(40％)やレポートなど(60％)を通して総合的に評価する。
・内容又は教材開発にあたっての課題意識の明確化/独自性
・内容又は教材開発の計画や進め方/必要とする教育内容の吟味や先行実践の検討
・理科教育、物理学の専門科学の基礎的理解
・発表内容の具体性及び発表の質疑応答に対する態度(発表会)
【テキスト・参考書】
＜テキスト＞
文部科学省「中学校学習指導要領解説 理科編」、「高等学校学習指導要領解説 理科編 理数編」。その他、必要な資料は授業ごとに配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
自分自身が受けてきた理科授業や教育実習を思い出しながら、問題点の改善に真摯に取り組み、有効な方策を考えてみてほしい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は津留研究室（地教2号館5階534室）において、原則、授業終了後の昼休みとしますが、これに限らず在室している時は随時対応します。
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