【授業の目的】
神経活動および身体機能の生理学的基礎を踏まえて,心理現象に関する基礎から臨床場面への応用について学ぶ。まず,ヒトの脳神経系の構造と機能を理解し,脳機能計測法とヒト脳機能マッピングの重要性に触れる。次に,感覚・知覚・認知に関する心理現象を取り上げて,その背景にある神経学的・生理学的メカニズムを検討する。それらの知識を踏まえて,高次脳機能障害および神経発達障害の特性について考察する。
【授業の到達目標】
・脳神経系の構造と機能について理解できる。 ・脳機能計測法とヒト脳機能マッピングについて理解できる。 ・感覚,知覚,注意,記憶,感情,動機づけなど,様々な心理現象の背景にある神経学的・生理学的メカニズムを理解できる。 ・高次脳機能障害および神経発達障害の特性を理解できる。
【授業概要(キーワード)】
中枢神経系,末梢神経系,ヒト脳機能マッピング,脳機能計測法,感覚・知覚・認知,高次脳機能障害,神経発達障害
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本授業は,「地域社会における心身の健康に関する諸課題についての基本的知識(文化創生コースのディプロマ・ポリシー)」を身につけるための科目であり,公認心理師の受験資格に関わる単位である。脳神経系の構造及び機能 記憶,感情等の生理学的反応の機序,高次脳機能障害の概要を扱う。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
※オンラインで行う。 ①資料を配布したうえで,プレゼンテーションや視聴覚教材を用いて講義を行う。 ②知識をさらに深めるために,実験の体験や演習も講義内容に含む。
・日程
1. イントロダクション:神経心理学および生理心理学とは 2. 脳神経系の構造と機能①:脳の進化,神経系と神経伝達物質 3. 脳神経系の構造と機能②:脳機能計測法とヒト脳機能マッピング 4. レポート課題①:ストレス指標と生理学的システム 5. 脳神経系と生理学的反応①:感覚と知覚 6. 脳神経系と生理学的反応②:注意と記憶 7. 脳神経系と生理学的反応③:感情と言語 8. レポート課題②:幻肢(幻影肢) 9. 脳神経系の障害①:精神疾患 10. 脳神経系の障害②:知的障害 11. 脳神経系の障害③:自閉スペクトラム症 12. 脳神経系の障害④:ADHD,その他の発達障害 13. レポート課題③:脳機能計測法 14. まとめ①:神経・生理心理学に関する論文講読と資料の作成 15. まとめ②:神経・生理心理学に関する論文講読と資料の発表
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布資料とプレゼンテーションを参考にしながら,講義内容の理解に努めること。講義に加えて実験や演習に対しても積極的に参加することで,習得した知識をさらに深めてほしい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
普段から,様々な心理現象,高次脳機能障害や神経発達障害について興味をもって調べること。受講後は,講義で扱った内容だけでなく,自分が興味をもった領域や内容についてより深く調べて考察すること。
【成績の評価】
・基準
①各講義における重要な用語や内容について理解して説明できるか(小レポート課題)。 ②実験を通して学んだ知識を理解して考察できるか(実験レポート課題)。
・方法
①講義の途中に課すレポート課題(20点×3本)。 ②14回目と15回目の発表資料の内容と発表(40点)。
【テキスト・参考書】
【テキスト】指定しない。 【参考書】参考書については,必要に応じて講義中に指定する。
【その他】
・学生へのメッセージ
自発的に学ぶ姿勢で授業に臨んでください。積極的な発言を求めます。
・オフィス・アワー
非常勤講師のためオフィスアワーを設けることは出来ません。授業内容に関する質問は、メールで受け付けます。
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