【授業の目的】
最初に組織理解を取り上げ,産業組織心理学の基本と組織が持っている特長や人事管理等について言及する。次にキャリア開発おいて特に重要な二つの側面である個人理解とスキルを取り上げる。最後にこれらを踏まえてキャリア支援の実際について取り上げ,組織で働く人を支えるということがどういうことなのかを把握していく。
【授業の到達目標】
1)組織理解で基本となる事柄を説明できる。【知識・理解】 2)キャリアに関する個人理解で基本となる事柄を説明できる。【知識・理解】 3)キャリア支援における基本的な考え方・態度を説明できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
組織理解,個人理解,キャリア開発,キャリア支援,メンタルヘルス
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:51~75% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本科目は、公認心理師受験のために学部で受講することが定められている科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
レクチャー,個人作業,グループディスカッションを組み合わせた形式とする。
・日程
1.オリエンテーション 2.産業・組織心理学の概要 産業・組織心理学の基本 キャリアとは 3.仕事と人材管理 仕事とは ローカルな人材とグローバルな人材 4-5.キャリア構成理論 キャリア構成インタビュー 理論の解説 ライフテーマ 6-7.組織風土 文化風習と組織風土 日本文化の特徴 欧米文化の特徴 三つの組織風土 8.キャリア支援の実際(その1) 多様性の理解(LGBTQ) 9-10.ソーシャルスタイル 質問紙を用いた個人作業 グループワークと発表 各スタイルの説明 各スタイルへの望ましい対応 11.キャリア支援の実際(その2) 自己愛 12-13.ストレスチェック制度 ストレスチェック制度とは 留意事項 公認心理師が関与する主な業務 時間経過とエネルギー変化 適応障害とその対応 14.日本文化とキャリア 日本文化の復習 日本における働き方 有給休暇の取得 リモートワークの普及 日本の組織独自の風習・慣例 仕事と性別 今後の日本 15.まとめ
注)授業の進行状況に応じて順番や内容が変更されることがある。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
本授業科目では,以下の課題等を課す。単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取組むこと。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおり。 3時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められている。 2)各回の授業において,リフレクションシートの提出を課す。課題は授業の最後に提示する。翌日18時までにウェブクラスで提出できるよう,毎回,下書きをし,文章の推敲をした上で提出すること。 3)提出されたリフレクションシートの中から幾つかをピックアップし,次回の授業で内容を共有する時間を設ける。これにより,誤解や間違いを自ら正すとともに,自分自身のリフレクションを行い,学びを深めていく。 4)与えられた課題を理解できるよう,図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い,自分の考えをまとめることを推奨する。 5)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので,授業資料の該当箇所を自分で探し関連づけることが重要となる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
グループ活動では授業時間以外に集まるなどして取り組む場合がある。その際,グループメンバー間の連帯行動が求められる。
【成績の評価】
・基準
次の4項目について,自分の言葉で他者に説明できることを合格の基準とする。 1)組織理解 2)キャリアに関する自己理解 3)キャリア開発に必要なスキル 4)キャリア支援
・方法
毎回授業後に提出する「リフレクションシート」で評価する。リフレクションシートの得点を1回の授業につき6点とする。ただし,「共有コメント」として選ばれた場合は特別点を加算して10点とする。共有コメントとは,深い考察や独創性のある話題などのことで,授業やウェブクラスで紹介し,全員で共有して学びを深めるものである。15回の得点の合計点で評価するが,100点を超えた場合は最終評価を100点とする。 履修確定後,授業契約を設定し,これに同意した者のみ成績評価する。
【テキスト・参考書】
この授業の参考書として『小野田博之ら著「キャリア開発24の扉」(生産性出版),2011年』がある。
【その他】
・学生へのメッセージ
理論家だけではなく,実践家の取り組みも紹介し,組織の実態をできるだけ把握できるような授業を目指す。自分自身にかかわることでもあるので,他人事ではなく自主的に授業に参加してほしい。
・オフィス・アワー
1)授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を小倉研究室(理学部3号館A402号室)において、火曜日~水曜日の 12:00~13:00 の間に設ける。 2)上記「オフィス・アワー」で対応できない分についてはウェブクラスのメッセージ機能で対応する。
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