【授業の目的】
文化人類学の学説史を学ぶことで、文化人類学の持つ基本的な考え方や学問の特徴などを把握し、自分たちが常識としていることを疑い、他者と自己を理解するための方法と視点を身に付ける。
【授業の到達目標】
・文化人類学の発展とともに培われてきた様々な基礎概念についての知識を身に付け、説明できるようになる。【知識・理解】 ・上記の知識と視点を用いて、他者と自己の双方を理解し、分析するための視座を得るとともに、社会の多様性と普遍性について議論する力を身に付ける。【技能】【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
人類学、文化、社会、経済、生態環境、グローバリゼーション、ジェンダー、異文化理解、自己理解、民族誌、文化相対主義、進化主義、構造主義、象徴論、認識論、民族誌批判、存在論的転回
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、豊かな人間性と社会性を育むとともに、専門分野の知識と技能の習得を目指すものである(人間文化コースのディプロマ・ポリシーDP1および3)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
文化人類学の学説史について、スライドや配布資料を使って解説する。教員からの一方通行の授業ではなく、教員と受講者、双方の参画を重視するため、質疑応答や簡単なディスカッションの時間を設ける。
・日程
《文化人類学の形成》 1. 文化人類学とは何か:フィールドワークと文化人類学 2. 文化進化論と文化伝播論:文化という概念の模索 3. 歴史個別主義と機能主義:文化相対主義と科学としての人類学 《文化人類学の展開:多様なトピックの生成と混交》 4. 新進化主義と生態人類学:生物としての人と環境 5. 経済人類学:文化と経済、政治と経済 6. 象徴人類学と解釈人類学:意味と象徴 7. 構造主義:構造という方法と思想 8. エスニシティ論とナショナリズム:想像された共同体とグローバリゼーション 9. 実践理論:行為への着目と実践コミュニティ論 《文化人類学への批判と新たな展開》 10.民族誌批判とポストコロニアル人類学:主体/客体と自省 11.環境人類学と多自然主義:自然と文化の再考と脱人間中心主義 12.関係性の人類学:ネットワークと現象学 13.マテリアリティと人類学:物質と身体、技術と環境 14.ジェンダーとセクシュアリティ:ジェンダーとセックスの存在論 15.開発と人類学:人類学はいかに社会と関わるか
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
漠然と講義を受けるのではなく、質疑応答に積極的に参加し、自分の考え方を述べること。そのために、常に自分の周囲の「日常」「あたりまえ」と比較して自分と照らし合わせながら考えて受講すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・下記に挙げた参考書を事前に読み、自分が関心を持ったテーマに絞ってより深く調べてみる。 ・さらに理解を深めるために図書館やインターネットで調べてみる。
【成績の評価】
・基準
(1)文化人類学の学説史を理解し、基礎的な概念の説明ができること。 (2)この基礎的な概念や視点を用い、文化の多様性と普遍性について議論できること。
・方法
平常点(40%:コメントペーパー)と期末レポート(60%)で評価します。 授業中の質疑応答やコメントペーパーによって加点することがあります。
【テキスト・参考書】
《参考書》 ・岸上伸啓(編)2018『はじめて学ぶ文化人類学:人物・古典・名著からの誘い』ミネルヴァ書房 ・松村圭一郎・中川理・石井美保(編)2019『文化人類学の思考法』世界思想社 ・梅屋潔・シンジルト(編)2017『新版 文化人類学のレッスン:フィールドからの出発』学陽書房
【その他】
・学生へのメッセージ
休講および補講を行う可能性がありますので、WebClassでのお知らせに注意してください。
・オフィス・アワー
木曜日13:00~14:30 (荘司一歩研究室、人文学部3号館7階702) これ以外の時間帯での面談も可能です。その場合は必ずメールでアポイントを取ってください。
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