文化人類学基礎演習b
 Introductory Seminar on Cultural Anthropology b
 担当教員:松本 剛 (MATSUMOTO Go), 坂井 正人 (SAKAI Masato), 山本 睦 (YAMAMOTO
Atsushi), 荘司 一歩 (SHOJI Kazuho)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
日本という国家社会に暮らす私たちは、国家のない社会や国家に抗する社会といったものを想像しにくい。ところが人類学にはそういった国会のない、もしくはそれに抗う社会についての研究の蓄積がある。この授業では、国家の束縛から離れたところにある社会のあり方について学び、それによって私たちが暮らす国家社会を相対化するとともに、私たちのこれからについても展望する。

【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は:
① 国家の束縛から離れたところにある社会のあり方について理解を深めることができる。【知識・理解】
② 授業をとおして得られた知見をもとに、私たちが暮らす国家社会を相対化するとともに、私たちのこれからについても展望できる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
ジェームズ・スコット、ピエール・クラストル、ゾミア、国家、国家のない社会、国家に抗する社会、アナキズム

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
人間と文化について地域や分野を横断する視点から幅広い教養を身に付け、人文学の専門知の体系的な修得に必要な基礎を獲得することを目的に編
成された科目である(社会科学部人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
・テキストを精読し、その内容をまとめて、レジュメやスライドを使って口頭発表を行ってもらう。発表者以外の聴講者には発表内容を要約・提出してもらう。
・一方通行の口頭発表ではなく、質疑応答によって進めていく。
・日程
「テキスト・参考文献」に挙げる4つの著作のなかの章を発表担当として履修者に割り振ったうえで、章ごとに精読・議論していく。
※割り当ての仕方や進度は履修学生の数によって大きく変わる可能性あり。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・受講者は積極的に授業に参加する。
・発表者はテキストを精読し、その内容をまとめてレジュメやスライドを使って口頭発表を行う。
・聴講者は漠然と発表を聞くのではなく、質疑応答や議論に積極的に参加し、発表内容を要約・提出する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・口頭発表で扱う内容について、授業前にテキストを読み込んでおく。
・さらに理解を深めるために図書館やインターネットで調べてみる。

【成績の評価】
・基準
口頭発表や発表後の質疑応答・議論、発表内容の要約によって、①参加の度合い、②知識の修得・理解の度合い、③論理的思考力、文章表現力のそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定する。
・方法
口頭発表(50%)と発表内容の要約(50%)に対する評価点の合計をもって評点とする。

【テキスト・参考書】
・ジェームズ・スコット『ゾミア ー脱国家の世界史』みすず書房 2020年
・ジェームズ・スコット『実践 日々のアナキズム ー世界に抗う土着の秩序の作り方』岩波書店 2019年
・ピエール・クラストル『国家をもたぬように社会は努めてきた』洛北出版 2021年
・ピエール・クラストル『国家に抗する社会』水声社 2002年

【その他】
・学生へのメッセージ
・第一回目の授業までに上記のテキスト四冊を揃えておいてください。
・休講および補講を行う可能性がありますので、WebClassでのお知らせに注意してください。
・オフィス・アワー
・火曜日12:00~13:00(人文社会科学部3号館8階 松本剛研究室)
・連絡先:gocito@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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