アンデス考古学特殊講義a
 Special Lecture on Andean Archaeology a
 担当教員:山本 睦(YAMAMOTO Atsushi),坂井 正人(SAKAI Masato),松本 剛(MATSUMOTO Go),荘司 一歩(SHOJI Kazuho)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「文明の周縁:アンデス文明を中心に」
高度に発展した文明社会は様々な意味で「中央」とみなされる。また、人や物資、情報の結節点となる「中央」は、過去の社会をあつかう際にも重要視される。このような場合、ある種の定説として、社会は「中央と周縁」という形で区分され、高度な文明を有していた「中央」の社会が、文明形成の途上にある「周縁」の社会に様々な面で影響をおよぼすと考えられてきた。しかし、近年の研究においては、「周縁」とされる社会がきわめてユニークな存在であり、「中央」との間に多様な関係を取り結んでいたことが明らかになりつつある。この授業では、「周縁」とされる社会の視点から、「中央」の社会を軸とした従来の文明形成論をとらえ直すことを試みる。

【授業の到達目標】
文明論における「中心」や「周縁」をめぐるアンデス考古学や文化人類学の研究について、基礎的な考え方を理解することができる。
様々な事例を通じて、文明論における「中心」や「周縁」について、アンデス考古学および文化人類学の視点や切り口から考察し、異文化(自文化)理解の視点を身につけることができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
文明、中心、周縁、フロンティア、アンデス考古学、文化人類学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,人間の多様性や普遍性について、とくにアンデス考古学や文化人類学の視点から論理的に考察し、異文化(あるいはそれを通じて自己)を理解する視点や手がかりを身につけるために編成される科目である。(人文社会科学部人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
授業はパワーポイントを用いた講義形式でおこないます。理解を助けるために映像資料などを多用します。
・日程
1.ガイダンス(講義の流れと評価方法など)
2.文明とはなにか:アンデス文明を中心に
3-4.周縁とはなにか:境界、中心と周縁、フロンティア
5-6.アンデス文明とはなにか
7-15.アンデス文明の周縁をめぐって
※理解度や質問・コメントなどに応じて授業の進行や日程を調整することがあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
ただ漠然と授業をうけるのではなく、問題を自分にひきつけながら講義を聞いてください。質問やコメントはいつでも歓迎します。質疑応答やディスカッションには積極的に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
配布するプリントや自分でまとめたノートなどを使って学習してください。参考書の関連する章などを読むと、より理解が深まるでしょう。授業であつかった内容について、図書館やインターネットなどで調べてみましょう。

【成績の評価】
・基準
授業中の質疑応答やリフレクションペーパー、期末レポートによって、知識の修得、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて評価します。評価基準は、文明論における「中心」や「周縁」をめぐる考え方や諸問題について理解し、自分の言葉で説明できることとします。
・方法
平常点(20%:授業中の質疑応答、リフレクションペーパーをふくむ)と期末レポート(80%)で評価します。授業中の質疑応答やリフレクションペーパーによって加点することがあります。

【テキスト・参考書】
参考書
山本睦・松本雄一2022『アンデス文明ハンドブック』臨川書店
関雄二 2021『アンデスの考古学 新版』同成社
※その他 学術論文を授業で紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
授業で扱ったテーマを、常に自分にひきつけて考えてください。また、それを通じて、自分や自分がいる社会について考えてみましょう。
・オフィス・アワー
木曜日12:30~14:00 (山本睦研究室、人文学部2号館4階425号室)
これ以外の時間帯での面談を希望する場合はメールで連絡してください。
会議や出張で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前にアポイントをとるようにしてください。

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