記号論特殊講義
 Special Lecture on Semiotics
 担当教員:清塚 邦彦(KIYOZUKA Kunihiko)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:対面授業
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 記号論とは記号の働きについての研究であり、さらには、記号を操る存在としての人間の本性の探求である。本講義では、特に画像の働きという点に焦点を置きながら、関連する現代の記号論・言語哲学・心の哲学の議論を系統的に辿り、解説・検討を行う。

【授業の到達目標】
 画像表現を中心とする非言語的な記号のふるまいについて、現代の哲学の中でどのような議論が行われてきたのかを知る。また、それを踏まえて、身近な画像類について理論的な視点から見直すことができる。

【授業概要(キーワード)】
 記号、絵画、映像

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 この授業は,現代の思想的状況について哲学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラムポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
 本講義では、下記教科書に沿いながら、画像の本性やその諸形態について哲学の視点から検討を行う。
 画像の多様な形や、多様な関連事例についての予備的な考察の後に、画像の本性をめぐる現代英語圏における代表的な理論について紹介・検討を進めていく。その中で、「類似性」「イリュージョン」「記号システム」「知覚」「想像」等の鍵概念が画像概念とどのように関連について検討を行う。
・日程
 講義日程の予定は下記の通りである。
1 ガイダンス
2 予備的な考察(1)いくつかの概念的区別
3 予備的な考察(2)絵の近縁種について
4 類似性について
5 ビアズリーの類似説について
6 類似説への批判
7 ゴンブリッチのイリュージョンの理論
8 ゴンブリッチ(続)
9~10 グッドマンの記号システムの理論
11~12 ウォルハイムの知覚説
13~14 ウォルトンのごっこ遊び理論
15 まとめ

より詳しくは初回のガイダンスの際に日程表を配付する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
  講義の際に疑問点があれば質問して確認すること。
 授業の中で質問・意見を募ったり、ランダムに指名して質問する場合があります。また、質問用紙を配付して意見を記入してもらうことがあります。その種の意見表明の場も活用することで、授業内容をより能動的に消化してもらえることを期待しています。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 授業後、テキストや資料に目を通して内容を再確認し、疑問点や自分の考えを整理しておく。また、必要に応じて関連文献・資料を調べ、考える。
 目安として、毎回30分~1時間の予復習時間を想定している。

【成績の評価】
・基準
 主体的参加の度合い、知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の度合いの4点を基準に評価を行う。
 授業のさいの発言等を通じて《主体的な参加度》を評価し、論述式の期末筆記テストにより、講義で取り上げた基本的諸概念と諸命題に関する《知識》と《理解》、ならびにそれらを具体的な素材に応用するさいの論理的な思考力・表現力(《汎用的技能の修得》)を評価する。
・方法
平常点(20点)、レポート+期末筆記テスト(80点)、計100点。

【テキスト・参考書】
テキスト:
 清塚邦彦『絵画の哲学』勁草書房、2024年。
参考書:
 随時指示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
出席確認はICカードを用いて行います。また、それとは別に毎回質問・感想用紙への記入を求めます。
・オフィス・アワー
場所:清塚研究室(人社2号館4F)
月曜日14:40-16:10

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