【授業の目的】
歴史学研究は先人たちが遺した文字資料=史料を読み解くことが基本中の基本です。本授業は、日本近代史に関する史料の読解によって、歴史学研究の手法を学ぶとともに、参加者による報告と質疑応答を通じ、自らの考えを発信し練磨する力を養うことを目的とします。
【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は、 1)日本近代史に関する史料を時代背景を踏まえて読解することができる【知識・理解】 2)先行研究を批判的に読み、問題発見に結び付けることができる【態度・習慣】 3)得られた知識・態度を基礎に、自身の考えを報告し、討論の場で述べることができる【技能】
【授業概要(キーワード)】
日本近代史,史料読解,先行研究講読,学生自身の関心に基づく自由報告,堀米四郎兵衛日誌
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:51~75% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:51~75% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、日本近代史に関する史料の読解を通じて、人文社会科学の専門領域(歴史学)について中核となる学術的成果を修得し、それに関して問題を発見し、論理的・批判的思考の結果をまとめることができる能力を培うことを目的とする専門展開科目です(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。なお、本授業を受講する前に、人文社会科学部の専門基礎科目「歴史学基礎演習b」「日本近代史概論」を受講することが望まれます。また、本授業は中学校教諭一種免許状(社会)および高等学校教諭一種免許状(地理歴史)の取得にかかる、教科及び教科の指導法に関する科目(教科に関する専門的事項)の選択科目に該当します。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
この授業は対面授業です。第1回・第2回の授業は、担当教員によるガイダンス・解説を行います。あわせて第3回以降の報告の日程決めを行います。第3回以降の授業は、各回の報告を担当する学生がレジュメを用意し、これに基づき報告をするとともに、参加者との討論を行います。課題史料については、山形県河北町の豪農商・堀米家の六代目四郎兵衛(実)が幕末~明治期に記した日誌を読む予定です。
・日程
第1回 ガイダンス / 第2回 課題史料の解説 / 第3回~第15回 課題史料に関する報告・学生の関心に基づく自由報告 ※参加者の人数や理解度に応じて、報告の配分を決定します。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
課題史料に関する報告:報告者は事前に配付された史料を読み、その概要をまとめるとともに、トピックとなるような事柄について関連する史料・先行研究に触れながら史料から得られる知見を提示する。その他の参加者は報告に基づき質疑を行う。 学生の関心に基づく自由報告:報告者は自身の関心に基づき、事前に先行研究・史料を選定し読み、先行研究の課題を指摘するとともに、史料から得られた知見を提示する。その他の参加者は報告に基づき質疑を行う。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は 4.5時間/週 です。 ※大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。 2)報告担当者は、参加者との質疑に答えることができるよう、先行研究・史料を吟味し、基礎的な語句・知識について十分に調べましょう。 3)報告者以外の参加者も、建設的な質問が行えるよう、先行研究・史料にあらかじめ目を通し、問題点を明確化しておくことが必要です。 4)また、自分の関心のあるテーマが見つかるよう、日常的に図書・論文を読んだり調べたりする習慣をつけましょう。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した3つの目標に対応し、下記の3つの条件を満たすことを合格の基準とします。 1)史料を時代背景を踏まえ的確に読解することができる。 2)先行研究を批判的に読み、問題点を指摘できる。 3)報告・討論に積極的に臨み、自分の意見を発信することができる。
・方法
報告(70点):報告担当者の報告内容・参加者の質疑に対する応答をもとに総合的に評価します。 討論(30点):参加者のディスカッションにおける質疑をもとに評価します。単に出席しただけでは点数を与えることができません。 ※参加者の人数に応じて変更する場合があります。
【テキスト・参考書】
テキスト:河北町誌編纂委員会編『河北町史資料第十六号 堀米四郎兵衛(実)日誌(二)』(河北町、2017年) ※テキストは受講者人数が確定次第まとめて担当教員が用意するので、個別に購入する必要はありません。 参考書:大学の歴史教育を考える会編『わかる・身につく 歴史学の学び方』(大月書店、2016年)2,000円+税 佐藤孝之監修・著『近世史を学ぶための古文書「候文」入門』(吉川弘文館、2023年)2,000円+税 →報告のために用意するレジュメの作成方法、報告のために必要な下調べなどに困ったら参照してください。
【その他】
・学生へのメッセージ
日本近代史の基礎的な知識・時代背景を踏まえることが重要なので、人文社会科学部の専門教育科目「歴史学基礎演習b」「日本近代史概論」を履修したうえで受講することが望まれます。また、担当教員が指導教員となっている学生のうち、日本近代史を専攻する者は原則この授業を受講することを求めます。先行研究の読み方・探し方や研究報告の方法などに困ったら、参考書に目を通すとともに、担当教員に遠慮なく相談しましょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を小幡研究室(人文社会科学部1号館4階)において、水曜日の11:00~13:00に設けます。 ※上記時間外においても相談を受け付けますが、その場合は事前に連絡してください。連絡先は初回授業時にお知らせします。
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