【授業の目的】
『小島のくちずさみ』は南北朝期の公家二条良基が著した紀行である。北朝で摂政・関白を歴任し、連歌作者としても活躍した人物である。本演習では『小島のくちずさみ』の輪読によって、時代背景を念頭におきつつ、和歌・物語などの古典が紀行に摂取されていくありようを学ぶ。先行研究・用例の調査などを通じて古典文学を研究する専門的手法を身につける。
【授業の到達目標】
1. 専門的手法によって古典文学を考究できる。【技能】 2. 調査結果に基づいて、適切な資料を作成できる。【技能】 3. 効果的な口頭発表・質疑応答ができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
紀行, 南北朝期, 二条良基
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本科目は、人文社会科学の高度な「専門知」を獲得し、論理的な思考能力を養うためのものである(人文社会科学部のカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
第1回のガイダンスで発表担当と発表順を決める(欠席した場合は、次回教員に確認すること)。第2回~第4回は、教員による概説と模擬発表を行う。第5回~第14回は、受講生が資料を作成して発表し、質疑応答を行う。 発表の時間および回数は受講人数に応じて決定する。調査・資料作成にかかるコピー代等は各自で負担する。レポートは、発表内容と質疑応答をふまえ、追加調査した内容を中心にまとめる。
・日程
第1回 ガイダンス 第2回~4回 教員による概説と模擬発表 第5回~14回 受講生による発表と質疑応答 第15回 総括
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表者は責任をもって発表する。都合が悪くなった場合は、事前に発表順を交代して教員に報告する。やむをない事情で当日来られなくなった場合は、なるべく授業前に連絡を入れてほしい。発表担当でない者も、聞き手として積極的に質疑に参加すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
週1~2時間を目安とするが、発表準備期間は集中的に作業することになる。発表者は、計画性をもって調査を進め、発表日までに資料を作成する。調査の段階で困ったことがあれば相談に乗る(オフィスアワー参照)。発表担当でない者も、事前に注釈書を読むなど質疑にそなえる。
【成績の評価】
・基準
専門的手法によって遺漏なく調査できるか、適切に資料を作成できるか、効果的な口頭発表ができるか、的確な質疑応答ができるか、質疑応答をふまえてレポートを書けるかが、合格の基準となる。
・方法
発表(50点)、聞き手としての貢献度(10点)、レポート(40点)の合計をもって評点とする。
【テキスト・参考書】
[テキスト] なし。プリントを配布する。 [参考書] 新日本古典文学大系『中世日記紀行集』 岩波書店 1990
【その他】
・学生へのメッセージ
現代人にとって中世に書かれたものは古典ですが、中世人にとってそれは現代のものです。一方、古今和歌集・伊勢物語などは中世においてもすでに古典でした。「古典」も最初は新しいのです。そのような視点で紀行を読んでみませんか。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問は、火曜14:40~16:10に研究室(人文社会科学部1号館4階406)で受け付けます。その他の時間に来たい場合は事前に連絡して下さい。
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