【授業の目的】
〈イメージ〉の表象 表象文化論への理解を深めるため、われわれにとって身近な文化事象に焦点をあてて検討し、研究発表と議論を通じて、基礎的な知識を得ることを目的とする。 この演習では芸術作品や広告、映像表現、漫画といった多様なメディアにおける新たな〈イメージ〉の表象ーーimage is imageというトートロジーが孕む謎ーーを探索してもらいます。さらにその背後に横たわる問題、社会現象、異文化理解のメカニズムを分析します。
【授業の到達目標】
〈イメージ〉をキーワードとして言語芸術や視覚メディアを考察する手法を身につける。その上で、さまざまな文化現象の分析に応用する力を修得する。
【授業概要(キーワード)】
表象 身体 他者 自己 環境 共同体 異文化 差異 芸術 映画 ポスター 広告 漫画 メディア
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
毎回、担当者が自分の設定したサブテーマに関する研究発表をおこないます。その後、受講者全員でディスカッションをおこない、問題を掘り下げていきます。
・日程
初回から2,3回はガイダンス、および基本文献を指定して全員で購読します。 その後、受講者の数と関心にしたがって日程を決定し、発表を行ってもらいます。 (履修人数が多い場合には一回の発表を複数名で担当してもらうこともあります。)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表者は各々の関心にもとづいてテーマを選び、自分の視点がどこにあるかを常に意識しながら論を組み立ててください。他の受講者には積極的に議論に参加する姿勢が求められます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
発表ではとりとめのない話にならないよう、問題意識と議論の方向性をまずは明確化してください。十分な時間をかけて発表準備をする必要がありますが、随時、担当教員がアシストします。 授業後は議論の内容をふりかえり、自分の意見とつきあわせてみましょう。授業をきっかけにさらに問題を発展させることが大切です。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1) 「イメージ」の重要性を把握している、2) 文化現象と社会との関係をさまざまな事例を通してとらえることができる、の二点です。
・方法
以下の配分で評価します:発表40%、学期末レポート40%、議論への参加度20%
【テキスト・参考書】
教科書は指定しないが、「表象文化概論」、「表象文化基礎演習」を受講していない場合には以下のような参考書で予習しておくことが望ましい(比較的易しいものから並べてある)。 ・池上嘉彦『記号論への招待』岩波新書 ・池上嘉彦ほか『文化記号論』講談社学術文庫 ・廣野由美子『批評理論入門――『フランケンシュタイン』解剖講義 』中公新書、2005年。 ・橋爪大三郎『はじめての構造主義』講談社現代新書 ・石岡良治『視覚文化「超」講義』フィルムアート社 ・小倉孝誠編『批評理論を学ぶ人のために』世界思想社、2023年。 ・丹治愛(編)『批評理論』講談社選書メチエ、2003年。 ・石田英敬『現代思想の教科書』ちくま学芸文庫 ・ジョン・ストーリー『ポップ・カルチャー批評の理論――現代思想とカルチュラル・スタディーズ』鈴木健、越智博美訳、小鳥遊書房、2023年。 ・渡辺守章・渡辺保・浅田彰 (編)『表象文化研究―文化と芸術表象』放送大学教育振興会、2002年。 ・渡辺保・小林康夫・石田英敬(編)『表象文化研究―芸術表象の文化学』放送大学教育振興会、2006年。
【その他】
・学生へのメッセージ
自分の発表だけでなく、他の人の発表もよく聞き、質問や意見を述べる姿勢が大切です。
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)
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