【授業の目的】
1)「ロシア・ウクライナ戦争」をテーマとする。2022年2月24日のロシアによる侵攻ではじまった両国間の戦争を理解するための背景知識を歴史的かつ理論的に獲得することを目的とする。 2)ウクライナ史、プーチン大統領の政治思想と権力構造を主たる論点とする。また、プーチン政治とウクライナ政治、および両国をめぐる国際政治の理解に有益な政治学の理論についても学ぶ。
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は 1)ウクライナ史とウクライナ人に関する基礎的理解を獲得し、かれらが立ち向かっている現状を想像できる。 2)ウクライナのユダヤ人問題についての構造的理解を手に入れることで、パレスチナ/イスラエル問題の歴史的広がりと根深さに視野が広がる。 3)プーチン大統領の政治思想と権力構造を理解し、ロシア政治の方向性について偏見から脱却して討議できる。 4)ロシア・ウクライナ戦争の帰趨について長期的に展望し、その見通しに立脚して、いま自分に何ができるかを、絶望することも飽きることも疲れてしまうこともなく考え続け、行動することができる。
【授業概要(キーワード)】
ロシア・ウクライナ戦争、ウクライナ、ロシア、ユダヤ人、プーチン、国際政治、地政治、権威主義、ナショナリズム、日本
【科目の位置付け】
この授業は,ロシア・ウクライナ戦争について歴史学と政治学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部のカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 02.飢餓をゼロに 03.すべての人に健康と福祉を 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
以下の日程にしたがって講義します。主としてオンライン(Zoomライブ配信)講義でおこないます。配布資料はWebclassで配信します。 授業終了後に質問ペーパーをWebclassから毎回提出してもらいます。
・日程
★ロシア・ウクライナ戦争、および国際政治の状況次第で授業内容に変更もありえます。 第1回:ガイダンス 第2回:ウクライナの歴史①:キエフ・ルーシの時代 第3回:ウクライナの歴史②:ジェチポスポリタの時代 第4回:ウクライナの歴史③:ウクライナのコサック 第5回:ウクライナの歴史④:政治・宗教・アイデンティティ 第6回:ウクライナの歴史⑤:ソ連時代のウクライナ 第7回:ウクライナの歴史⑥:ウクライナ国家の形成とウクライナ人の構築 第8回:映像授業 第9回:ウクライナとユダヤ人問題①ユダヤ人の楽園/ウクライナ人の地獄 第10回:ウクライナとユダヤ人問題②ナチを待望するウクライナ 第11回:映像授業 第12回:プーチンを知る①:「主権」国家と「近い外国」 第13回:プーチンを知る②:プーチンの統治システム 第14回:プーチンを知る③:プーチンの見方 第15回:まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で示されるパワーポイント・配布資料を参考に講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。 1時間/週 2)授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで自分なりに調べて,理解を深める努力が不可欠です。また図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い,自分の考えをまとめておくことを推奨します。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した、ロシア・ウクライナ戦争に関わる諸問題の基礎的知識が正しく習得できているか、歴史的思考と政治学的考察に基づいた問題解決能力が十分身についているかについて学期末のレポートによって判定し、合格の基準とします。
・方法
学期末レポート100点。 学期末に提出する2000字程度のレポートによって、上記基準の到達度を判定し評価します。
【テキスト・参考書】
テキスト:指定しません 参考書:小泉悠『ウクライナ戦争』(ちくま新書)、フィオナ・ヒル、クリフォード・ガディ『プーチンの世界』(新潮社)、エリカ・フランツ『権威主義』(白水社)、その他授業中に紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
答えはみつからないかもしれません。でも、決して絶望することなく、学び、悩み、考え続けましょう、いっしょに。
・オフィス・アワー
学生からの質問・相談はWebclasのメッセージ機能やメールで随時受け付けます。
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