【授業の目的】
日米の比較文化・文化交流史に関する諸問題を、講義を通じて多角的に検討し、アメリカを中心とする英語圏の文化や歴史を、日本との比較の視点から理解するための、基本的な視座と方法を学ぶ。具体的な授業内容としては、幕末から第二次大戦期にかけての、アメリカの日本観/論について概説する。
【授業の到達目標】
到達目標は以下のとおり:(1)アメリカの日本観/論をめぐる代表的な作品や人物など、基礎的な事実関係を把握できるようになる。(2)日米間の比較文化および文化交流史について、自身の理解に基づき筋道を立てて説明できるようになる。(3)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察し、期末試験の答案を作成できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
アメリカ、日本論、自己、他者、アイデンティティ、近代国家、異国、戦争、国民、未来戦記、「敵」としての日本
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本授業は、受講者が「国際地域社会や多文化社会に関する高度な専門知」の獲得を通じて、「グローバル社会で活躍するために必要な知識と教養を身につけ、他者や異文化への柔軟な理解力を養成」できる一助となるよう設計されている(GSコースカリキュラムポリシーより)。カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
講義を中心とした授業をおこなう。毎回の授業後に質問票を配り、質問や異論などを集めることで、講義に関する受講者の理解度を確認する。次の授業で前回出た質問に答えて、また講義に戻る、といった形式で進めていく。
・日程
この授業は原則として毎週木曜日1−2校時、以下のテーマと順序で実施する。 第1回: なぜアメリカの日本論か?―序論として 第2回: 「開国」以前の日本情報(1/2) 第3回: 「開国」以前の日本情報(2/2) 第4回: 万延元年遣米使節団をめぐる日本論(1/2) 第5回: 万延元年遣米使節団をめぐる日本論(2/2) 第6回: 二つの日本観―W・E・グリフィス 第7回: 異国趣味―P・ローエル 第8回: 国民としての日本人―L・ハーンとS・ギューリック(1/2) 第9回: 国民としての日本人―L・ハーンとS・ギューリック(2/2) 第10回: 日露戦争?戦間期の日米関係 第11回: 日米未来戦記の成立 第13回: 預言者としてのH・リー 第14回: 日本の新時代―J・グルー 第15回: 敵と他者―R・ベネディクト&期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
担当教員は学生からの積極的かつ論理的な質問や意見を求めているので、その点によく留意して質問票に記入すること。授業用に教員から配られる資料を参考にしつつ、重要事項をノートにとること。授業の前後やオフィスアワーでの質問を歓迎する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
毎回の講義内容に応じて、授業資料の復習や授業中に紹介した本を読むなどの宿題を与える。授業中のコメント票記入の際には、宿題がきちんとできているかどうかを確かめるための課題を設定するので、受講者は日頃から自習を欠かさないこと。
【成績の評価】
・基準
評価にあたっては、まず以下の3点を重視する:(1)アメリカの日本観/論をめぐる代表的な作品や人物など、基礎的な事実関係を把握できているか。(2)日米間の比較文化および文化交流史について、自身の理解に基づき筋道を立てて説明できているか。(3)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察し、期末試験の答案を作成できているか。 上記の3点に関して、本学部のガイドラインである、「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力)」の4つの基準で成績評価をおこない、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断する。
・方法
授業参加状況(質問票の記入内容についての評価を含む):50点、期末試験:50点
【テキスト・参考書】
授業用テキストとして特に指定するものはないが、授業資料PDFをウェブクラスで配布するので、受講者は各自で事前にダウンロードしておくこと。
【その他】
・学生へのメッセージ
授業は朝一で大変だろうが、まずは遅れず休まず頑張って教室まで来てほしい。
・オフィス・アワー
オフィスアワーは原則として水曜の12:05-12:50とし、伊藤研究室(人文2号館4階)にて開催する。ただし、水曜の12:05-12:50に限らず研究室に在室時は随時対応するので、時間外に飛び込みで来室しても構わない。長時間の面談を希望する者は、事前にメールで予約すること。(メルアドは初回授 業にて知らせる。)
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