【授業の目的】
テーマは、通史から見る「フランスらしさ」とは何か。 中世から現代までのフランスの文化と社会の総体を、世紀別に豊富なイメージを見ながら多角的に学んでいきます(時代ごとに特徴的なフランス固有の精神を図解しながら説明していきます)。 絵画や文学といった視覚芸術のみならず、建築や宗教や音楽などの表象文化史の知識を広く習得します。
【授業の到達目標】
学生はこの講義を履修することで、 1. 歴史や表象芸術を通じて社会と文化を研究する意義を知ることができる。 2. 一国家の文化的総体を通史的に学ぶことで、多様な知識を獲得できる。 3. レポートや卒論の執筆に不可欠な初歩的メソッドを身につけられる。
【授業概要(キーワード)】
フランス通史(中世から現代まで)、表象文化全般(建築、宗教、絵画、文学、音楽、思想、政体、etc.)、夢、欲望、憧れ
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、欧米の社会や文化や歴史にかんするテキストやイメージを用いて、グローバル表象文化論の観点から問題を論理的に分析し、整理する力を身につけるべく編成されている科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう
【授業計画】
・授業の方法
教員が用意した内容(スライド)にそって授業を進めます。補足資料を用いることもあります。 使用する教科書の目次に即して以下に日程を示しますが、教員の知識や関心に即して、適宜補ったり変更したりもします。
・日程
第1回~2回:簡単な導入。中世の美 天上の幸福を求めて/中世世俗文化 第3回~4回:ルネサンスの美 地上の幸福を求めて/文学の巨人たち/フランスのレオナルド・ダ・ヴィンチ/「音学」から「音楽」へ 第5回~6回:古典時代の美 宮廷生活の極み/古典主義の成立/ロココ文化の時代/市民の時代/ルソーと自然美の発見 第7回~8回:近代の美(十九世紀前半) ナポレオン神話と「個」の主張/遠くの美/近くの美 第9回~10回:近代の美(十九世紀後半) パリ風景の変貌/束の間の美/世紀末芸術 第11回~12回:新時代の美 エッフェル塔と芸術/芸術の革命/「理」に逆らって/モダニズム 第13回~第14回:現代の美 「グラン・プロジェ」のモニュメント/二十一世紀のモニュメント 第15回:これまでの振り返りと総括
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布資料等に目をとおし、重要事項をノートしてください。授業ごとに出席を取り、コメントペーパーを配布します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
復習の際は、授業で提示された論文や資料を読んでください。
【成績の評価】
・基準
到達目標に掲げた3つの達成度については、期末レポートと毎回のコメントペーパーで判断します。
・方法
毎回の授業でのコメントペーパー(50%)、学期末提出の1500字〜レポート(50%)の2つに基づいて総合的に評価します。 レポートの内容は、(1)関連文献を読んでいるか、(2)正しく引用を行えているか、(3)主張にある程度の説得性があるか、の3点から判断します。
【テキスト・参考書】
教科書(購入必須): 和田章男『フランス表象文化史 美のモニュメント』、大阪大学出版会、2010年 参考書(購入自由): 高山宏『表象の芸術工学』、工作舎、2002年 浅田彰ほか『表象文化研究』、放送大学教育振興会、2002年 その他は授業内で指示します。
【その他】
・学生へのメッセージ
いろいろな方がとりやすい授業になるよう、レポートの分量を少なめ(1500字)に設定しています。その意味では学生の負担が少ない楽しい授業になるはずです。ヨーロッパの文化や歴史について、大学生の一般教養としてぜひ知っておきたい内容を押さえていきます。受講にあたりフランス語や専門的な知識は必要ありません(2年生は登録前に履修条件を要確認)。
・オフィス・アワー
初回の授業で指示します(合田研究室は人文社会科学部棟3号館6階)。 メールアドレス:y.goda@human.kj.yamagata-u.ac.jp
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