民法展開(債権総論)
 Civil Law IV
 担当教員:吉永 一行(YOSHINAGA Kazuyuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
民法典のうち、債権総則(第3編第1章)に関する基礎的知識を獲得し、この領域における具体的事例について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導けるようになることを目指します。

【授業の到達目標】
本講義を通じて、以下の各項目について、できるようになることを目指します。
① 本講義で扱う領域について、法律の条文を的確に参照することができる。【知識・理解】
② 法律用語を正しく用いて、本講義で扱う法制度の定義、および要件・効果を説明できる。【知識・理解】
③ 本講義で扱う諸制度・諸規定について、趣旨を理解し、説明できる。【知識・理解】
④ 本講義で扱う基本的判例について、その内容を理解し、説明できる。【知識・理解】
⑤ 債権総論における具体的事例について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導くことができる。【知識・理解】
⑥ 専門知識を扱う教科書の講読→疑問の提起→教科書の再読による疑問の解決という学習方法で知識を深めることができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
民法、債権総論、債権・債務

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
(1)本講義の導入講義として、「私法入門」と「金融法入門」があります。
(2)民法の他の分野に関する講義を受講することで初めて、民法の全体像を理解することができます。
(3)本講義は、法律学分野の高度な「専門知」を獲得し、多様な場面で応用可能な法的知識とその運用能力を養うための科目です(人文社会科学部総合法律コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
授業は対面で行います。ただし、休講に伴う補講が必要になったときには、受講機会を確保する観点からオンデマンド動画によることがあります。
授業は、教科書を中心に進めます。資料を配布する際は、ウェブクラスにアップロードします。
教科書は予習を行うに際して必須であり、授業にも持参してください。授業ではさらに民法の条文を参照できるようにする必要があります(六法などについては授業初回で説明します)。
・日程
第1回:ガイダンス・「債権法へのはじめの一歩」
第2回:「債権の目的」
第3回:債務不履行①:「債務不履行とは何か」「履行請求権」
第4回:債務不履行②:「損害賠償請求権」「代償請求権」
第5回:責任財産の保全①:「債権者代位権」
第6回:責任財産の保全②:「詐害行為取消権」
第7回:多数当事者の債権債務①:「分割債務」「不可分債務」「連帯債務」
第8回:多数当事者の債権債務②:「保証債務」
第9回:当事者の交替①:「債権譲渡」
第10回:当事者の交替②:「債務引受」
第11回:債権の消滅①:「弁済」
第12回:債権の消滅②:「代物弁済」「供託」
第13回:債権の消滅③:「相殺」「更改・免除・混同」
第14回:金融の社会的意義と債権法の役割
第15回:まとめ及び試験

「」は教科書における章・節のタイトルです

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書に基づいて講義を行います。受講生は、事前に教科書を読み、予習課題(簡単なチェックテスト)に答えられるようにするとともに、わからないところをピックアップして、授業の中で特に集中して聴くべき箇所を特定しておく必要があります。
授業後には、復習課題として質問票を提出する必要があります。そのほか、希望する進路によっては、さらに高度な知識を得るために、授業中に示すガイドに従って発展的な学習に取り組んでください。
受講生は、予習課題・復習課題を、いずれもウェブクラスで受験・提出します。
質問は、授業前後の時間に尋ねてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事前学習:教科書を読んだうえで、ウェブクラス上の予習課題(チェックテスト)を受験してください。また、わからない箇所をピックアップしてメモしておいてください。
事後学習:復習課題(質問票)を提出してください。さらに、講義ノート、教科書などを再読し、知識の定着を図ってください。希望する進路によっては、さらに発展的な学習に取り組んでください。

【成績の評価】
・基準
筆記試験は、①法制度についての説明を求める問題に対して、その定義、要件・効果や趣旨を過不足なく適切に説明できることができ(到達目標②③)、②基本的な事例の解決を求める問題に対して、適用される条文を的確に参照した上で、一方でそこで扱われる法制度の定義、要件・効果や趣旨を正しく理解してそれを踏まえ、他方で関連する判例の内容を正しく理解してそれを踏まえて、妥当な法的結論を提示できることが(到達目標①から⑤)基準となります。
平常点は、予習・復習課題を通じて、到達目標⑥に提示したような自学ができるという態度を示すことが基準となります。
・方法
筆記試験(80点満点)と平常点(20点満点)で評価します。
筆記試験の問題は、授業の到達目標①から⑤を達成できたかどうかを評価するものであり、講義で扱った範囲内から出題します。
平常点は、授業の到達目標⑥を達成できたかどうかを評価するものであり、予習課題・復習課題の提出状況とその内容により採点します。

【テキスト・参考書】
●教科書
松岡久和ほか『新プリメール民法3債権総論』(第2版、法律文化社、2020年)
●参考書(授業初回で説明します)
田髙寛貴ほか『START UP民法③債権総論判例30!』(増補版、有斐閣、2023年)
窪田充見=森田宏樹編『民法判例百選II(債権)』(第9版、有斐閣、2023年)

【その他】
・学生へのメッセージ
法律(に限りませんが)の学習は、全体がわかると個々の項目の理解も進むという側面があります。まずは早い段階で、理解の程度はひとまず横において、教科書全体を一読しておくことをお勧めします。
・オフィス・アワー
担当者は非常勤講師なので、授業前後の時間をオフィスアワーとして、質問などを受け付ける時間とします。さらに必要があれば、Zoomなどをつかったリモートでの面談にも対応しますので、オフィスアワーの際に気軽に相談してください。

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