【授業の目的】
行政とは、立法(国会)と司法(裁判所)以外の統治全般を意味する言葉です。これから分かるように、行政学は非常に幅広いテーマを対象とし、体系的に学ぶのが難しい学問です。そこで前期の授業では、中央政府に焦点を当てた上で、日本の行政の仕組みと活動の理解を深めることを目的とします。日本の行政はどのような歴史をたどり現在に至るのか、そしてどのような制度の下に展開しているのか、具体的事例を挙げながら説明します。
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は、 1)中央政府の行政の仕組みと活動を記述できる。 2)1990年代以降の行政改革の展開と具体的事例を説明できる。 3)中央政府―市民社会、中央政府―地方政府の連関を示すことができる。
【授業概要(キーワード)】
行政組織、官僚制、行政改革
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:76~100% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
この授業は、地域公共政策分野の高度な「専門知」を獲得し、地域社会・公共政策に関わる論理的思考力とその運用能力を養うために編成される科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを
【授業計画】
・授業の方法
中央政府をめぐる歴史、制度、改革、国会や地方政府、市民社会との関係を中心に講義をすすめます。 各回のテーマごとの事例も適宜取り上げます。
・日程
(1)ガイダンス:行政とは何か (2)行政学の成立と展開 (3)日本の行政の通史 (4)国会と内閣 (5)内閣と省庁 (6)省庁の組織編成 (7)予算制度 (8)第2回~第7回のまとめと小テスト① (9)公務員制度① (10)公務員制度② (11)1990年代以降の行政改革① (12)1990年代以降の行政改革② (13)行政と市民社会 (14)地方自治への接続 (15)第9回~第14回のまとめと小テスト②
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
パワーポイントを使用します。スライドコピーの重要箇所に線を引くなどしてください。また、使用するテキストは指定しますが、それに沿ってすすめるわけではなく、上記の日程に対応して使用します。 行政学は現代社会の細部まで関わる学問です。ですので、時事ニュースを随時チェックし、現代社会の動態をフォローする習慣をつけてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習・復習の時間を毎週2時間程度確保し、以下の内容に取り組んでください。 <予習> ・各回の教科書該当ページを必ず読み、理解できないところをまとめておきましょう。 ・レジメも授業前にwebclassにアップします。ですので、事前にレジメを入手してよく読んでおきましょう。その上でレジメに線を引くなどして、要点をつかんでください。 ・時事ニュースを随時チェックしてください。 <復習> ・教科書とレジメを見直して、理解できなかった点を自分で調べておきましょう。 ・特に、レジメには授業のキーワードを詳しく説明している箇所があります。そこを中心に、自分でもキーワードを説明できるか確認すると効果的な復習になるでしょう。
【成績の評価】
・基準
以下について、小テスト①②および毎回の授業で実施する小課題の成績で評価します。 1)中央政府の行政の仕組みと活動を記述できるかを合格の基準とします。 2)1990年代以降の行政改革の展開と具体的事例を説明できるかを合格の基準とします。 3)中央政府―市民社会、中央政府―地方政府の連関を示すことができるかを合格の基準とします。
・方法
小テスト①②、小課題の成績を合わせて100点とします。 配分は、小テスト①:40%、小テスト②:40%、小課題:20%を目安とします。
【テキスト・参考書】
テキスト:伊藤正次・出雲明子・手塚洋輔『はじめての行政学新版』(有斐閣ストゥディア) 授業はこのテキストに基づいて行うので、用意してください。 参考書:曽我謙悟『行政学』(有斐閣)、田村哲樹・近藤康史・堀江孝司『政治学』(勁草書房) 参考書も授業で間接的に使用します。目を通しておくとより理解が深まります。
【その他】
・学生へのメッセージ
授業に関連する質問を積極的に受け付けます。形式的な質問ではなく学問の追究につながる質問を歓迎します。 教員に教わって解決・満足するのではなく、教員に教わった内容を踏まえて自分で考える力を培ってください。大学での学修は、高校までの教科書や参考書に書いてある「解答」とは異なり、多くは「暫定的な答え」しかありません。「暫定的な答え」を出すには自分で考えるしかないのです。
・オフィス・アワー
授業初回に提示します。
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