比較政治学1
 Comparative Politics I
 担当教員:横田 正顕(YOKOTA Masaaki)
 担当教員の所属:人文社会科学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
この講義は、比較政治学の基本的な方法論とアプローチの学習を目的とします。比較政治学の方法についての複数の視点を通じて政治分析の多様な考え方を示し、現代政治をより深く考える手がかりを提供することを目指します。

【授業の到達目標】
(1)政治学の概念やモデルを通じて、社会科学全般に共通する基本的な考え方が理解できる。【知識・理解】
(2)本講義の知識を応用して現実の政治現象についての解釈や説明を行うことができる。【技能】
(3)本講義の知識を基礎に、現実政治に関するさまざまな言説を批判的に検討し、自らの見解を表明できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
因果関係、実証主義、事例研究、フォーマル・セオリー、方法論的多元主義

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%

【授業計画】
・授業の方法
・授業はPowerpoint(スライドのPDFはWebClassにて配布)によって進めます。
・数回おきに内容理解を確認するための小テストを実施します(課外・オンラインでの実施を予定)。
・日程
(1)導入:政治学のなかの比較
(2)比較政治学の系譜
(3)科学的議論とは何か
(4)因果関係と比較の論理
(5)定量的・定性的分析の方法とミックス・メソッド
(6)事例分析の有効性とケース選択の戦略
(7)単一事例研究の貢献と限界
(8)比較政治学と歴史研究
(9)ゲーム理論と制度分析
(10)制度変化のメカニズム
(11)方法論的多元主義と新しい研究手法
(12)言説分析と比較政治
(13)解釈主義的アプローチとフィールドワークの意義
(14)比較政治学の展望と実証研究の課題
(15)総括と試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・授業で示されるスライド資料をただ眺めるだけでなく、口述内容をメモするなどして復習の助けにしてください。
・普段から多様な媒体を通じて日本や世界の政治ニュースに触れ、授業で示した様々な考え方がそれらの理解にどう役立つかを考える習慣を身に着けてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・授業のPDFは原則的に授業の前述までにWebclassの方にアップロードしますので、各自その内容を確認し、授業のポイントや疑問点などをあらかじめまとめておくことを勧めます。
・授業の内容に関連する文献を適宜紹介するので、興味があれば読んでください。狭い意味での政治学に関する文献だけでなく、哲学書や古典的書物をよく読む習慣をつけておくと理解が進みます。

【成績の評価】
・基準
・授業内容が正確に理解できているか。
・政治学の概念や理論を応用できているか。
・自分の考えを論理的に伝えられているか。
・方法
・期末試験(65%)
・確認テスト(35%に調整)
・平常点・出席点はありませんので、特殊な場合を除いて欠席届は不要です。

【テキスト・参考書】
・以上は参考書であり、購入しなければならないものではありません。適宜参照してください。
〇粕谷祐子『比較政治学』ミネルヴァ書房・2014年
〇久保慶一ほか『比較政治学の考え方』有斐閣・2016年
〇久米郁男『原因を推論する』有斐閣・2013年
〇松林哲也『政治学と因果推論』岩波書店・2021年
〇野村康『社会科学の考え方』名古屋大学出版会・2017年
〇ブレイディ/コリア―編『社会科学の方法論争』勁草書房・2008年
〇浅古泰史『ゲーム理論で考える政治学』有斐閣・2018年
〇酒井大輔『日本政治学史』中公新書・2024年

【その他】
・学生へのメッセージ
この授業の内容はやや抽象的ですが、あらゆる社会科学に通じる基本的な考え方やアプローチを提示するものです。この授業での学習を通じて、本に書かれていることや、研究者・コメンテイターの発言にどのような根拠があるのか、あり得る反論は何かということを考える知的基盤が養われることを期待しています。
・オフィス・アワー
本学には担当教員が常駐しておりませんので、簡単な質問はWebclassを通じて行ってください。

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