【授業の目的】
この講義は、政治体制の比較を通じて現代政治の構造と課題を理解することを目的とします。さまざまな観点から、現在のデモクラシーが置かれている危機的状況と、権威主義との差異の曖昧化に関する見方を提示します。
【授業の到達目標】
(1)本講義で提示した概念やモデルを通じて政治体制論に関する基本的な考え方が理解できる。【知識・理解】 (2)本講義の知識を応用して現実の政治現象についての解釈や説明を行うことができる。【技能】 (3)本講義の知識を基礎に、現実政治に関するさまざまな言説を批判的に検討し、自らの見解を表明できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
政治体制の移行、デモクラシーの後退、ハイブリッド体制、選挙権威主義、ポピュリズム
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 02.飢餓をゼロに 05.ジェンダー平等を実現しよう 08.働きがいも経済成長も 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
・授業はPowerpoint(スライドのPDFはWebClassにて配布)によって進めます。 ・数回おきに内容理解を確認するための小テストを実施します(課外・オンラインでの実施を予定)。
・日程
(1)政治体制の比較とは何か (2)政治体制の社会的・経済的条件 (3)デモクラシーの成立条件と持続要因 (4)非デモクラシーの諸類型 (5)権威主義体制の統治手法 (6)権威主義体制の堅牢性 (7)政治体制の移行と転換 (8)移行後の課題 (9)政治体制と国際環境 (10)代表制デモクラシーの危機 (11)ポピュリズムの台頭 (12)デモクラシーの後退・専制化 (13)現代デモクラシーの危機と未来の制度設計 (14)政治体制の違いに意味はあるのか (15)総括と試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・授業で示されるスライド資料をただ眺めるだけでなく、口述内容をメモするなどして復習の助けにしてください。 ・普段から多様な媒体を通じて日本や世界の政治ニュースに触れ、授業で示した様々な考え方がそれらの理解にどう役立つかを考える習慣を身に着けてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・授業のPDFは原則的に授業の前述までにWebclassの方にアップロードしますので、各自その内容を確認し、授業のポイントや疑問点などをあらかじめまとめておくことを勧めます。 ・授業の内容に関連する文献を適宜紹介するので、興味があれば読んでください。狭い意味での政治学に関する文献だけでなく、哲学書や古典的書物をよく読む習慣をつけておくと理解が進みます。
【成績の評価】
・基準
・授業内容が正確に理解できているか。 ・政治学の概念や理論を応用できているか。 ・自分の考えを論理的に伝えられているか。
・方法
・期末試験(65%) ・確認テスト(35%に調整) ・平常点・出席点はありませんので、特殊な場合を除いて欠席届は不要です。
【テキスト・参考書】
・以上は参考書であり、購入しなければならないものではありません。適宜参照してください。 ○ロバート・ダール『ポリアーキー』岩波文庫・2014年 ○レイプハルト『民主主義対民主主義 [原著第2版]』勁草書房・2014年 〇ロザンヴァロン『良き統治―大統領制化する民主主義』みすず書房・2020年 〇吉田徹『アフター・リベラル』講談社現代新書・2020年 〇ジブラット/レヴィツキー『民主主義の死に方』新潮社・2018年 ○モンク『民主主義を救え!』岩波書店・2019年 〇リンス『民主体制の崩壊』岩波文庫・2020年 〇ランシマン『民主主義の壊れ方』白水社・2020年 〇フランツ『権威主義』白水社・2021年 〇リンス『全体主義体制と権威主義体制』法律文化社・1995年 〇トラヴェルソ『ポピュリズムとファシズム』作品社・2021年
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業の内容は、デモクラシーと権威主義という、比較政治学の中でも重要なトピックを扱っています。いわば比較政治学各論であって、まんべんなくこの分野を解説・紹介するものではありませんが、特定の分野を掘り下げることで、比較政治学が深みのある分野であることを理解していただければ幸いです。
・オフィス・アワー
本学には担当教員が常駐しておりませんので、簡単な質問はWebclassを通じて行ってください。
|